52話 持ち得ないの時間 ページ2
『ココ、弱いんだったよね?』
ドリュリュリュリュとあの呪霊の目の部分から出ている木の枝を思い切り引っ張った青子は、『あっははは!』と笑った
『やっぱり!展延と生得術式は、同時には使えない!!』
(儂が先刻まであの程度で済んでいたのは、展延で体を守っていたからだ!!
基礎的な身体能力と潜在能力でこのレベル!!
夜神月青子、逆に貴様はなにを持ち得ないのだ!!)
その時、青子の近くにいた一般人が血を噴いて死んだ
『あ、ヤベ。でも、まぁ…私が殺したわけじゃねぇし、いっか』
「チッ」
ぽいっと枝を投げ捨てた青子は、くるりと首だけを向けるとその先には青子を狙っていた呪霊がいた
(あいつ、呪霊じゃない…受肉した九相図ってとこかな…うざったいけど、こっちの2匹ほどやる気ないみたいだし…まあ、後回しで殺すか)
ドウ!と青子を殴るが、それは全て塞がれた
『“いいのか?お前たちが展延で僕の力を中和するほど、僕はより強く術式を力を保とうとする
なによりもこの体は僕のものではない。守るべき僕の心臓だ。さらにこっちは、もうそれに耐える元気はないのではないか?”』
「なっ!!」
『“貴様らが死のうが生きようがどうでもいい”』
「青子!」
『全ては…私の大好きなあの人のため』
パキッパキッと何かが軋む音が聞こえてくる
白い歯を見せて笑いながら呪霊を倒す青子を、誰が止めれるんだ
「夜神月青子!! こっちを見ろ!!」
「無駄だ」
そんなのお構いなしに、青子は呪霊を殺した
「花御……」
『ハイ、終わり…さぁ…殺ろうよ…殺し合い』
ー20:51 東京メトロ 明治神宮前駅 2番出口側ー
「地下鉄の駅、全体を覆う“一般人を閉じ込める帳”
その内側、副都心線を中心に“術師を入れない帳”が降りています
2つの“帳”の間にこちらの“帳”を下ろしている呪霊か呪詛師がいます」
「間?中心のホームじゃなくて?」
「おそらくですが、自分も外に出るデメリットを抱えて結界強度を上げているのだと思います
すでに2名の補助監督がやられています。それから“帳”の間に…
その…まだ断言はできないのですが…」
「?」
「かまわないよ、言ってごらん」
「“帳”の間に、改造された人間がいます」
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年5月21日 14時