元殺し屋はヒーローになる20 (ページ15)

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私と緑谷がつぶやいた言葉を焦凍が拾った

「俺たちBチームの任務は施設の制圧と、ボスのフレクトって奴の確保だ。油断するな」

『わかってるけど』

「誰にモノ言ってんだ、ああ!!?」

目を釣り上げて吠えた爆豪かっちゃんは、そのまま爆破で加速する
私は緑谷におぶられているから、そのまま緑谷がエアフォースで減速することに任せる

地上についた爆豪かっちゃんはすぐに爆破で建物に向かっていき、焦凍も氷結を地面に放ち、建物前に降り立っている炎司さんたちの後ろを滑るように着地して建物に向かっている

トンッと緑谷の背中から降り、足音を立てることなく着地し、地面に手を触れたあと、ズアッと自分の足元からすぐに滑るようにして向かっていく

緑谷もフルカウルで走っていき、その横にピタリと張り付くように滑る

「と、止まれぇ!!」

「許可なく立ち入りは…」

「抵抗すれば容赦はせん！」

入り口にいたヒューマライズの団員たちに炎司さんが一喝する
ドアを突き破り建物に入っていく時点で、すでに容赦はしていない気がする

だが、事態が事態。こういうことはご理解いただきたいところだろう
作戦に無駄な時間など組み込まれているはずもなく、一刻も早くこちらはトリガー・ボムを回収しなければならない

その脇を通り抜けるように前線に向かうと、地元ヒーローのクレアが「透視」を使ってトリガー・ボムの捜索に当たると、それを見た団員たちが棒などを手に持って襲いかかってきた

『言ったでしょ、手荒な真似はしないって』

足元を氷結させた焦凍に呼応するように、団員たちの首筋に手刀を入れたり、鳩尾に1発入れるなど気絶に追い込むと、その後ろからまた団員たちが向かってくる

ボボボボと爆破を起こす爆豪かっちゃんをチラリと一瞥したあと、『爆豪、一掃できる？』と聞くと、爆豪かっちゃんは「ハッ」と笑う

「爆豪、団員のほとんどは無個性だ。手荒な真似は…」

「わーっとるわ！閃光弾(スタングレネード)!!!」

爆豪かっちゃんが放った強烈な眩しさに団員たちが思わず立ち止まったそのスキに、眩しさ対策をしていた私が団員たちの首筋に手刀を入れていく

『爆豪、焦凍、ここは任せた！』

「あぁ！」

「うっせぇ!! さっさと行けや！」