元殺し屋はヒーローになる20 (ページ7)

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「い…いいだろ、べつに」

(怖い顔で可愛いこと言ってる!!)

「友達と青子の隣がいいっつってんだろ」

(末っ子っぽいとこ出てる!!)

「友達じゃねンだよ。尾翼にくくりつけて快適な空の旅ィ楽しませたろか!!!」

(かっちゃん!!)

『もーやだ…こいつら』

頭を抱えて項垂れていると、ギャーギャーと騒ぎまくっているこの3人に私は宥めることも嗜めることも放棄した

(こ…これが現代日本No.1事務所の光景かあ〜!!?
今からこんな調子じゃ、緊張が高まる一方だよー!!!)

『み、緑谷？』

さっきよりも「人」を書く量とスピードがあがった緑谷の肩を揺するも全然聞いてくれない
緑谷？緑谷!?

『緑谷までバグらないで!? 爆豪と焦凍が言い合ってる時に緑谷までバグらないで!? 私一人でこの事態収集しろなんて無理だから!!! 緑谷！』

緑谷の肩を揺さぶっていると、私たちの飛行機のチケットを剛翼が取り上げていった

『ホークス』

「この並びで。まったく小学生じゃないんですから」

『ホークス〜…』

「ほら、女の子泣いてますから」

「む」

じんわりと目に涙が浮かぶと「悪い…青子」と焦凍がすぐに駆け寄ってくる
頼むから面倒なことを起こさないでほしい。次は他人のフリするから

「おう…」

「ああ」

「うん」

「はい」

『ありがとう、ホークス』

「いいってことだよ、青子ちゃん」

炎司さん、焦凍、爆豪かっちゃん、緑谷の順に返事をした
それから席は窓際に爆豪かっちゃん、その隣が炎司さん
爆豪かっちゃんの後ろが緑谷、緑谷の隣が焦凍、焦凍の隣が私になった

(真後ろなら話しかけられにくいか…)

(ほほう…ショートが俺の背を見るか…悪くない…！)

(フライト中に力の凝縮のコツ詳しく聞ける)

「丸く収まった」

『はあ…』

「まー俺らは別の国なんで離れちゃいますけれども」

『そういえば、ホークスと常闇はどこに？』

「自由の国…」

『！』

「アメリカだよ」

『アメリカ…』

“青子！”

アメリカ…自由の国…アメリカ…

頭の中で響いてきた声変わりをして間もいない柔らかい声
甘く優しい声、懐いてきたあの山猫を思い出した