元殺し屋はヒーローになる20 (ページ36)

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当然のことに呆然とするしかない俺たち
電話の向こうには、何も知らない青子の声が聞こえてくる

《焦凍？聞いてる？ねえ！ねえってば！焦凍!!》

「………青子、お前本当に…なにやった？」

耳から話していたスマホを再度持ち上げて青子に問い掛ければ青子は、《何にもしてないってば！私がするとしても、流石に人殺しは》と切羽詰まってパニックになっている青子に、俺も、親父も、爆豪も冷や汗を流す

「青子、お前と緑谷、大量殺人犯として指名手配されたぞ」

《は？》

青子side

焦凍の口から出てきたのは、私と緑谷の指名手配。焦凍が冗談なんて言うはずもないし、言ったとしてもジョークにも悪すぎる

『ちょっ、と…待ってよ…し、指名手配ってどういうこと？』

《それについてはこっちでも調べる。すぐにその場から離れろ。GPSで追跡される
スマホの電源を切ったら、バッテリー抜くのも忘れんな》

『…………』

《大丈夫だ。俺が絶対何とかする、絶対だ
俺が絶対に助けるから！》

『焦凍…』

焦凍の大きな声に冷静さを取り戻していき『わかった』とひとつ頷いて電話を切った
どうやらとんでもないことに巻き込まれてしまった上に、何かの罪をなすりつけられているらしい

じわじわとくる危機感を頭から今は放り出すように、スマホの電源を落とした

「青子さん、轟くんなんて？」

『…私と緑谷、指名手配されてるって』

「え!?」

『…よくわかんないけど、とりあえずスマホの電源切ってバッテリー抜いてって』

「わ、わかった」

緑谷が言われた通りにスマホの電源を落としてバッテリーを抜き取った
スマホをウエストポーチにしまっていると、ポンと肩に手を置かれてその手首を掴んだら「うわあ！」という大きな声があがる

『アッシュ…』

「びっくりした…」

『ご、ごめん…』

「いや…それより、仲間と連絡とれたのか？」

「って、おいなんでバッテリー抜いてんだよ？迎えはいつ来るって？」

「そ、それで…」

顔を曇らせる緑谷にアッシュと少年が眉を寄せた
これから先、スマホやパソコンの力を借りることができない。どうにかして自分たちの手で何とかするしかないらしい

途方もない終わりの見えないこの戦いに、どうやって打ち勝つべきか…その問題を解き始めるように頭の中のスイッチを入れた