元殺し屋はヒーローになる20 (ページ34)

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気絶してたのから気がついて、また気絶した忙しない少年が、緑谷からズルリと落ちてしまう
矢を避けながら追った緑谷が少年をキャッチし、黒鞭を鉄橋に伸ばして道路に叩きつけられる寸前に回避した

鉄橋の道路にはサイレンを鳴らしたパトカーが走っている
しつこいほどに追いかけてくるパトカーに『チッ！』と大きく舌打ちをしてアッシュの頭を抱えた

「え、あ、青子？」

『アッシュ、大きく目一杯息吸って』

「え、なんで…」

『いいから、早く!!』

「う、うん」

警察と戦うわけにはいかない
一旦この場から離れなくてはならない。アッシュはケースを強く握り、私の首に腕を回して大きく息を吸い込み頬をぷっくりとさせ目を瞑った

フードを被り、ほんの少しだけ息を吸い込んでそのまま川へと飛び込む
派手な水飛沫をあげてブクブクと沈んでいくと、アッシュはパニックになりながら、ギュッとしがみついてくる

トントン、と優しく背中を叩いて安心させると、そのまま抱きこんで岸まで水中の中を緑谷とともに泳ぎ進んだ

焦凍side

「馬鹿者!!!!」

臨時事務所として使用しているホテルのエレベーターホールに響き渡るのは、親父の怒号だった
ここにいるのは、俺と爆豪、そして…観光客でもう1人と逸れたという男…名前をブランカと名乗る男の人だった

「今は重要任務中だぞ！それ以外の事件は、地元のヒーローに任せておけばいい！」

俺と爆豪を怒鳴りつける親父。原因はさっきの宝石強盗だ。クレームはなかったものの、管轄というものがある
だけど、俺たちは

「困っている人を救けるのがヒーローだろ」

「仕事に大小つけんのかよ。インターンでんなこと習ってねえんだよ」

「それに、青子が目の前で困っている人を見たら放っておけない性格(タチ)なのは知ってるだろ」

「ぐぬっ…!!」

俺たちA組の中でもトップに君臨するほどのヒーローとしての素質を持つ青子なら、きっと宝石強盗を捕まえる。いや、青子でなくても俺たちはヒーローだ。ヒーローとしての仕事を、全うしたい

「反省せんか！…それで、デクとレモントはどうしてる？」

「宝石強盗の仲間を追跡してる。さっき電話をくれたが、それ以降全然電話に出ねえ」

「たるんどる！インターン中だからと連れてくるのではなかった…！」

2人とも、何もなければいいが…