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28-3 ページ10

俺たちが静かに待っていると、男4人が部屋に入ってきた
俺は奥村を守るように立つも動けない体を拘束されて無理矢理に連れて行かされる









「!京、あれ!」

『キルト!』









どこかのラボか何かに連れて行かれた
そこには、拘束椅子に括り付けられているキルトや研究をしている奴がいた









「英二!裕人!」

『…!』









キルトの近くにいたメガネの男に俺はどこかで見た気がした
どこで見たんだ…どこで、どこで…





俺が考えている中、男はキルトの腕に注射器の針を刺しこんでいた









「いくしょう…化けて出てやるぞ!」

「やめろ!やめろおおぉぉおお!」

『キルト…!放せ、放せよ!!』









拘束をなんとか解こうとするも俺の力ではどうにもできず、ただされるがままのキルトを見るしかできなかった









「あ………あ………」

『キルト!キルト!!』









ピッピッという心電図や脳波のモニターが音を立てる中、俺が何度も問いかけてもキルトは反応を示さなかった









「幻覚作用が始まったようだな…」

「キルト…しっかりして!」

「こうなれば、どんな思想でも潜在意識に刷り込み可能だ」

『…おい、何するんだよ…おい、奥村に触るな!! 奥村!』









男は奥村の頭を机に押さえつけると、そのままキルトの目の前に差し出した









「こいつの顔をよく見るんだ!」

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」

『キルト!』

「キルト…」

「あ……あ………嫌だ、やめろ…来るな…あ…あ…ぎゃああぁぁあ!!」









声を上げたキルトに俺は『まさか…』と目を見開いた
どこか見たことがあった…そうだ、どこか…どこかで見たんだ…あの表情も…









『まさか…兄ちゃんと一緒の…』









バナナフィッシュ…


その言葉が頭を埋め尽くしていく









「これは「恐怖」だ。わかるか?お前の恐怖が今、形になって姿を現した
逃れられない悪夢だ。こいつこそ、お前の悪夢の元凶!
こいつを殺さねば想像を絶する恐ろしい苦痛に苦しめられるぞ!」

「ぎゃああっ!やめろおぉぉおお!」

「こいつを殺せ!八つ裂きにし、はらわたを引き摺り出せ!それしか「苦痛」から逃れる方法はない!忘れるな!」

『キルト…キルト…』









どうすれば、いいんだ…


どうすれば…









兄ちゃん…

29話 翡翠の時間→←28-2



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ルイ(プロフ) - え、つまり、オーサーにやられたの? (2021年9月5日 12時) (レス) id: de4baf91a8 (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - ユーマさん» こちらこそありがとうございます! (2021年8月26日 22時) (レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - ルイさん» ありがとうございます! (2021年8月26日 22時) (レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
ユーマ - 最高ですありがとうございます( ; ; )!! (2021年8月24日 1時) (レス) id: 9d9fb50ec0 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 待ってました! (2021年8月20日 23時) (レス) id: de4baf91a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年8月3日 18時

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