天使と悪魔の方程式4【男主】 (ページ44)

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『…………ここって、たしか…高級アパートメント…』

「わあ、すごいなあ。ドアマンがいる」

『………………………どうやって金を…』

目の前に聳え立つは12階建てのアパート。しかも高級で、1階にはスーパー、地下にはジムが備えられているから外に出なくても全然大丈夫。何不自由ない暮らしを送れる最高のアパートとして有名なものだ。
大学の人間もここにいつか住みたいとか言ってたな。無理な話だが

「京、早く〜」

『あ、あぁ…』

すでに中に入って行く奥村とアッシュに慌てて追いかけていき、エレベーターに乗り込めば12のボタンを押している
最上階なんだな…すごいな、最上階…

目的の部屋に入れば、一通りの家具が置かれている上に必要なものもほとんど用意されている
高級アパートってこういうものなのか？庶民感覚だった自分がいきなりこんな場所に連れてこられたら思考回路も常識も馬鹿になる

俺の部屋と寝室を与えられ、もはやここは異空間なのではないかと思えるほど豪華な部屋に俺は、自分が住んでいたあのアパートと比較して泣きたくなった。金があればこんな家に住めるのか…すごい、凄すぎるアメリカ

「京！京！」

『ん？』

「こっち！来て！」

『はいはい…』

興奮状態の奥村に付き合わされて部屋の中を見回って10分。10分も必要なぐらい広い部屋に俺はさらに肩を落とす。俺、こじんまりとした古民家が好きなんだけどな…日本の平家みたいな感じの…落ち着けるし

やっぱり、日本って豊かだよな…心が落ち着くし和むし穏やかになるし…

「きょーーーお！」

『はいはい…』

興奮が冷めない奥村にとことん付き合わされて、俺はアッシュからお願いされた仕事をすることになった
それは、隣のオフィスを出入りする人間の写真を撮ること

なんとこのアパートの隣のオフィスはゴルツィネの所有するオフィスらしい
灯台下暗し。木を隠すなら森の中、人を隠すなら人混みの中、これはゴルツィネも驚くだろう

奥村が写真を撮り、撮られた写真のデータ整理をするのが俺の仕事
バックパックに入っていた眼鏡をかけてカタカタとキーボードを叩きながらデータの整理をしたり…

『目が痛い…』

「休憩する？」

『あぁ』

明日から立ち上がって腰を伸ばすと、バキバキと骨が鳴った。おい、どんだけ俺はこの椅子に縛りつけられていたんだ？