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「大丈夫か?朝から寝てたんだろ?」
『あ、あぁ…寝たらスッキリした』
首元を見られないように自然な流れで服の乱れを直すと、俺は立ち上がってキッチンに行きコーヒーを淹れる
湯気がたつコーヒーをそのまま飲み、腰をトントンと叩くと「腰痛いのか?」と聞かれて少しだけコーヒーの入ったマグカップを揺らした
トプンッと揺れたコーヒーに俺は『あぁ』とアッシュを見ないで頷き、なんでもないようにコーヒーを飲む
服の下を見られるとまずいので、絶妙な距離を保つことに必死な俺は、アッシュからの視線に気づいていなかった
「きょー!」
『!』
「あれ、コーヒー飲むなら言ってよ!僕も飲む!」
『え、あ…あぁ…淹れる』
「ありがとう!」
空いているマグカップを取り出し、コーヒーを淹れると奥村は「体は大丈夫?」と聞いてきた
俺は息をするように『あぁ』と頷き、淹れ終えたマグカップを奥村に手渡した
シンクに身体を預けてコーヒーを飲むと、アッシュはじっと俺を見ている
そんな視線から逃れるようにコーヒーをちびちびと飲んでいると「お前ら、近いうちにここを出るぞ」とアッシュが言う
「え?どうするの?」
「マンションに移るんだよ」
「マンション!京、マンションだって」
『え?あ、あぁ…。そういや、マンションには暮らしたことなかったもんな』
「うん!」
嬉しそうにしている奥村を眺めながら、飲み終えたマグカップをシンクに置き、キッチンを後にする
心なしか、首筋も痛い。寝違えたか…だとすると、これからはソファで寝るのはやめよう
Dr.メレディスからもらった頭痛薬と化膿止めを飲む
鎮痛剤は今はいらないし、特に必要でもない。俺的には頭痛薬をもっともらってもいいと思ってるけど、これ以上飲んだら薬やってると思われるから我慢だ我慢
「裕人」
『?』
「お前、日本に帰らないのか?」
『…あぁ…。一応、留学の身だし…大学はまだしばらく休学だってさ…乱闘騒ぎの次はヤク物騒ぎだって』
「…大丈夫か?」
『俺の学科だけだからな』
大学からのメールを読みながら俺はポチポチと返信をする
そろそろ、荷物とかも整理したいしな…近々、あのアパートの荷物どうにかしていかないと…
『ま、全部捨ててもらってもいいけどな…』
「?」
必要なものはもう全部持ってきてるわけだし、取り上げられるようなものも盗まれるようなものもない
空っぽの部屋だ
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ルイ(プロフ) - え、つまり、オーサーにやられたの? (2021年9月5日 12時) (レス) id: de4baf91a8 (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - ユーマさん» こちらこそありがとうございます! (2021年8月26日 22時) (レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - ルイさん» ありがとうございます! (2021年8月26日 22時) (レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
ユーマ - 最高ですありがとうございます( ; ; )!! (2021年8月24日 1時) (レス) id: 9d9fb50ec0 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 待ってました! (2021年8月20日 23時) (レス) id: de4baf91a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年8月3日 18時