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32話 2時間の時間 ページ31

アッシュの案内で連れてこられたのは、廃屋のアジトだった
中を進んでいくと、アッシュの仲間が俺たちを見ると「ボスが帰ってきたぜ!」と部屋に入って声を上げた









「ボス!」









アッシュの帰還に嬉しそうにする仲間たちを見た後、邪魔にならないように中に入ると、不安げな面持ちのショーターと奥村がいた




見るところ、怪我がなさそうでよかった









『ショーター、奥村』

「「!」」

『…ただいま』

「京……京!!!」









まん丸の大きな黒い瞳を見開いた奥村は、グッと唇をかみしめて大粒の涙を流しながら俺に駆け寄ってきた
抱きついてきた奥村を受け止め、力強く抱きしめると「馬鹿野郎…っ」と日本語で怒ってくる









『うん』

「もう、会えないと…っ」

『うん、ごめん』

「馬鹿…馬鹿!!」

『うん…ごめん』









鼻の奥がツンとして、奥村の肩口に顔を埋めていると、「お前はよぉ」とショーターも涙ぐみ鼻声で俺の頭を撫でてくる









『ごめんな、奥村…心配かけて』

「ホントだよ…もう、どこにも行かないでくれよ」

『それはまた難しい注文だな』

「京!」

『わかった、わかったよ』









ぷんっとした奥村にくしゃりと頭を撫でてやると、「キミは僕を子供か何かだと思ってるのかい?」とじとっと見てくる









『いいや?お目目の大きなウサギだなって』

「人間ですらないじゃないか!」









はははと笑っていると、「あんたが戻ってきたからには、もうオーサーのやつにデカイツラはさせねえ!」と茶髪のアメリカ人が声を張る









「まずは食料と服を。それからバイヤーの「チェック」に連絡を
あと「フライ」にこれを用意するよう言っておけ」

「オーケー」

「あと携帯2台とタブレットを頼む。俺は2時間だけ寝る」









それだけ言ってベッドに倒れ込んだアッシュに、「スイッチが切れるみたいに眠っちゃったよ」と奥村が呑気に言った









「…眠る時は、な」

「え?」









その時、アッシュがいきなり起き上がり俺たちを見る
「ひっ」と怯えた声が上がる中「2時間だ。2時間経ったら起こせよ」と言ったアッシュに「イ、イエスボス!」と物陰から返事する大小コンビ





ドサッと再びベッドを倒してそのまま眠りについたアッシュを見た後、俺は少しだけ力が抜けてそのままため息を吐いた

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ルイ(プロフ) - え、つまり、オーサーにやられたの? (2021年9月5日 12時) (レス) id: de4baf91a8 (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - ユーマさん» こちらこそありがとうございます! (2021年8月26日 22時) (レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - ルイさん» ありがとうございます! (2021年8月26日 22時) (レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
ユーマ - 最高ですありがとうございます( ; ; )!! (2021年8月24日 1時) (レス) id: 9d9fb50ec0 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 待ってました! (2021年8月20日 23時) (レス) id: de4baf91a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年8月3日 18時

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