天使と悪魔の方程式4【男主】 (ページ16)

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「グリフィンとユウキはいい奴だったが…僕のした事に勘付いたから仕方なかった」

そこまで言ったエイブラハムの腹を俺は思い切り蹴りつけた
吹っ飛んだエイブラハムが俺を見て目を見開いているのに対し、俺は怒りではらわたが煮えくりかえりそうになった

『なら、俺とアッシュがあんたを殺すのも、仕方のないことだよな？』

「えっ…」

『これは、正当な復讐なんだろ？
俺はお前が殺したユウキ・キョウゴク…ユウキ・ルミナリエルの弟だからな！』

「そんな…ユウキの…!?」

『絶対にあんたを殺す…あんたがどこで何をしようと、俺はあんたを殺す』

じっと睨みつけると、エイブラハムは「つ、強がっても無駄だ！お前たちはここで死ぬんだからな！」と言い返してくる

その時、ギイッと重い音がしてドアが開いた
奥からヨロヨロとキルトが歩いてきた

「キルト!?」

「キルト！」

『……ッキルト』

様子のおかしいキルトにみんなが気づいていない中、俺はよろよろとした足取りのキルトを見つめる

「よかった、無事で…」

「……すまない…」

「気にするな。お前のせいじゃねーよ」

『キルト…！しっかりしろ！』

「…そうじゃない」

「？」

「俺は…もう、だめで…」

「……え？」

「キルト、おいどういう…」

尋常じゃないほどの汗を流しているキルトにアッシュやショーターが心配している中、ドアの向こうからは奥村がやってきた

「英二！」

「英ちゃん！」

「無事だったのか！」

「英二！」

『…奥村、だめだ…』

「…裕人？」

『逃げろ…逃げてくれ…！』

もしも、もしもキルトがバナナフィッシュの影響であの時言われた言葉を忠実に従ってしまったとしたら…奥村は、奥村は

「うっ……あ…あぁ…あ、うぁぁあっ！頭が…」

「…まさか」

「そう、バナナフィッシュだ」

「なんだと!?」

『だめだ、奥村！逃げろ!!』

ガシャンガシャンと自分を繋いでいる鎖を動かしながらなんとかしようとするも、頑丈な鎖は俺の自由を奪うばかりだった

「アッシュ、ショーター、いいものを見せてやろう
キルト、こいつを覚えてるだろうな？」

奥村をキルトの目の前で放り投げると、キルトは奥村を見た途端に後ろに飛びのいた