元殺し屋はヒーローから海賊へ2 (ページ41)

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17話抗えぬ血ページ41

「青子〜〜〜〜!!!」

ガバッと抱きついてきたルフィに『うわっ！』とふらつきながら床に尻餅をつくと、「お姉ぢゃぁぁぁん」とギャン泣きのアスランまで抱きついてくる

『ルフィ…アスラン…2人とも、私が死んだと思ったの？』

「だっで…！」

「ゔうあぁ！」

『………勝手に人を殺すなバカ!!!』

「うわあああああん!! お姉ちゃんが怒ったぁぁぁあ!!!」

ぎゃあああああと泣き叫ぶアスランに盛大にため息をついた
服を着替えて顔についている煤やら泥やらをタオルで落とし、ダダンさんが寝ている側に腰を据えた

『火事の夜、ブルージャムにはなんとか勝ったんだ
でもその時にはもう道が火に塞がれてて…ダダンさんが私のせいで全身にひどい火傷を負っちゃって…なんとか火の届かない“中間の森”の川縁に身を隠して町に薬品を盗みに行ったりして必死にダダンさんの命を取り留めてた…
エース、ルフィ、アスラン。心配かけてごめんね』

「ふん…」

「ゔぅ…」

「ううっ…う」

私の背中に張り付いている3人に声をかければ、鼻声のエースやまだ泣いている2人を一瞥して、気がかりなサボのことを考える
あの子のことだから、きっと心配してるんだろう。時間がある時に探しに行ってみるのもいいかもしれない

この3人が離れてくれたらだけど

泣き疲れたアスランがエースのそばで眠っており、ルフィはころっと変わって外で遊び始めている

「青子」

『？』

「おめェあの時、なぜ逃げなかった…」

『………時々、カッと血が上るんだ…昔から
逃げたら、なにか…大きなものや大切なものを失いそうで恐くなる…あの時は、私の後ろにエースとルフィ、アスランがいた。わからないけど、多分…そのせいだと思う』

いつもそうだった
私の後ろには大切な人たちがいつもいる
だから、みんなを守りたいがために自分が先陣切って戦いに行く

やめろと言われたけど、それがどうも癖ついてしまって離れることも直すこともできなかった

『…自己犠牲もいい加減にしろって、怒鳴られたこともあったけど…治らないんだ。癖ついちゃって…私はヒーローだもん』

守りたい宝物が目の前にあるから、必死に守りたくなる
それを傷付けようとしたりするのなら、私は鬼にだってなる

しばらくしてから、ルフィがドグラが帰ってきたと言い、街の様子を見に行っていたというドグラから話を聞くためにみんなが集まると、信じられない言葉を耳にした