元殺し屋はヒーローから海賊へ2 (ページ5)

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ルフィは泣き疲れて眠ってしまい、私はエースとサボとともにダダンさんの家に向かった
ゴミ山を抜けて深い森の中を静かに歩いていくと、エースとサボはすごくチラチラと私を見てくる

『なに？そんなに見られると気になるんだけど』

「お前…」

「怪我」

『あぁ、これぐらいじゃ死なないよ。気にしなくていい』

「でも…！」

『…昔ね』

「「？」」

『私はもっともっと、怪我をしたことがあるの…
病院に運ばれるのがあと数秒遅かったら出血死するぐらいの大怪我をね』

「「！」」

『でも、生きてる…。生きてここに立ってる…それって凄いことで、医者も奇跡だって言ってた
私は、困ってる人を助ける仕事…ヒーローという仕事をしてる…大怪我をすることは付き物だし、今日みたいに3人に怪我をさせることもある…だけどね、怪我をしてみんなを救えたこの傷は、私にとってみんなを救えた勲章になる』

「…それで死んだら割りにあわねェだろ」

『……うん、そうだね…だけど、どうしても救けたいって思うの…救けられればそれでいいんだ』

雄英にいた頃、私はたくさんの人と出会った
メリッサさんや真幌に活真、そしてロディやアッシュ
私にとって、大切な友達で最高の友達だ

『この怪我はみんなを守れた怪我、今日作った傷は3人を守った傷…私は、生きてればいいと思う
生きていればそれで勝ちなんだよ』

「…でも、それで死んだら」

『死んだら死んだでいい…その時、誰かの命が、大勢の命が救われているのならヒーローはすごく嬉しいんだよ』

ルフィを背負い直し、歩き続けるとエースとサボが「青子！」と私を呼び止める
ゆっくりと振り返ると、少し泣きそうでだけど何かを決心したような顔つきだった

「おれたち、強くなるから！」

「どんな奴にも負けないぐらい、強くなるから!!」

「だから！」

「だから！」

「「お前も誰にも負けないでくれ!!!」」

『！』

決心したその意気込み、その目、その自信、そして…なによりもその決意した表情があの2人によく似ている
自然と緩んだ口元から、『絶対、負けないよ』と無意識のうちに溢れていた

満月の夜、私は…小さな決意とともに、胸の中に刻み込んだ

何があっても、誰にも負けないぐらい強くなる
この子達を守るために、私は強くなる

そして、何者にも渡さない

私の宝物たちを