元殺し屋はヒーローから海賊へ2 (ページ39)

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「オイ!!! ひディー傷だな、青子!!!」

『ドグラ…なんで、アスランを』

「ついてくって聞かニーんだ！サボの奴がいニーが!?」

『あの子は無事だよ、ここにはいない…』

「お姉ちゃん、お姉ちゃん!! 血が！」

『大丈夫、大丈夫だよ…』

えぐえぐしているアスランの頬を撫でると、「お姉ちゃぁん」と抱きついて来る
背中に走る痛みに顔を歪めると「あぁ、やめろアスラン！」とドグラが放してくれる

「てめェ…コラボ山のボス猿だな…」

「山賊ダダンだ!! なんの因果か、このガキ共の仮親登録されててね…。さァて、逃げるぞ!!!」

「「ハイ、お頭!!!」」

「エース、急げ!!!」

『はっ…エース…』

「青子、おミーも逃げるんだ!!」

ドグラがルフィを、マグラがアスランを抱えているのを一瞥してユラリと立ち上がって自分の体に触れた
バチッという音と少量の血が飛び散ったあと、自分の背中の傷が治ったのを確認する

「えっ…傷がニー!?」

「なに!?」

『私は、逃げない』

「「!!?」」

「何言ってんだ、青子おミー!!! そいつはヤミとけ!!!
ブルージャムのヤバさはハッタリじゃニーぞ!!! 子どもが粋がっていいレベルじゃニーんだよ!!!」

「お…お"れも」

「だめだ、ルフィ!!!」

『だとしても!!!』

「「！」」

『背中を見せて、敵の目の前から逃げるヒーローなんか、私は知らない…!!』

私が見てきたヒーローは、いつだって前を向いて困っている人を助けて、目の前にいる敵を必ず討ち取る…そんな緑谷と爆豪の背中だった

あいつらがいるから、私はいつだってヒーローのなり方を思い出せる

『大事な家族をバカにされて、傷つけられて、黙ってられるほど、私は…優しくないから』

「青子…」

『それに…家族だって言ってくれて、嬉しかった…
大事な家族だもん…守りたいんだ…』

失ったものは、二度と戻ってこない

だからせめて、守りたい

これからのこの子たちの未来を

「お前ら、ルフィとアスラン、エース連れて先に行ってな」

「お頭!?」

「青子はあたしが…責任持って連れて帰る!!!」

「お頭…」

「青子…」

「行け!!!」

「は、はいっ!!!」

「青子!! おい、放せよマグラ!!!」

「お姉ちゃん!!! お姉ちゃん!!」

「青子!!」

エース、アスラン、ルフィの声を背中で感じながらブルージャムを見据え、拳を作って骨を鳴らす