元殺し屋はヒーローから海賊へ2 (ページ27)

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「そこに、基地を作る」

『………………』

ニヒィと笑ったエースのその笑い方に爆豪かっちゃんの悪い笑顔に似ているなと思ってしまった
どこに行っても、似たようなやつはいるんだな…でも、爆豪かっちゃんと違うのは…

「で、こんな感じで」

「お、いいな」

この子は、寄り添うことを知っていること…かな
爆豪かっちゃんもいいやつだけど、別の意味でのことだ。エースと似てるけど、それで似てない
だとしてもきっとこの子は、爆豪かっちゃんのように立派な男になるだろう

『仕方ないなぁ』

「「？」」

『設計図は私が書くよ』

「書けんのか!?」

『これでも建築士の友達いるからね。教えてもらったから』

「すげェ!!」

ねぇ、殺せんせー
私って案外単純なのかもしれない。無邪気な笑顔と瞳を向けられて、この期待に応えてあげたいなんて思っちゃうなんてさ…

それって、ヒーロー以前に…人としての性なのかな

『どんな感じがいい？』

「海賊っぽい！」

「かっこいい！」

「おれは、おれは〜」

『あーはいはい』

夜中だと言うのに体力が有り余っているのか騒がしいこの3人に『アスランが寝てるから静かにね』と口元に指を立てて静かにというポーズをとれば、3人は振り返って眠っているアスランを覗き込む

「なァ、青子〜」

『んー？』

「アスランって、どこからきたんだ？」

『…………なんにもない、田舎だよ…この子を守ってくれる人なんていない、何もない…』

ふわふわの猫毛を撫でれば、気持ちよさそうに眠っている
誰にも奪わせたりなんかしない、傷つけさせたりなんかしない…アスランは…アッシュのこれからの未来は、絶対に私が守る

『ルフィ、エース、サボ』

「「？」」

『…これからもし、アスランが辛い時絶対に助けてあげてね』

「おう！」

「わかってるよ」

「アスランはおれたちの友達だからな」

…ねぇ、アッシュ
世界ってすごく広いんだよ。アメリカだけじゃない、たくさんの人がいる
そしてその中にも、アッシュを大切にしてくれる人がいるんだよ

だからね、アッシュ

絶望するのは早いよ
これからアッシュには、たくさんの幸せが降り注ぐんだからね

(絶対に守るよ…アッシュの未来も、みんなの笑顔も、私が…全部守るから)