6-4 ページ23
最後に出席を取り、全員が大きな声で返事をした
僕と渚は、心臓に狙いを定める
もう…殺らなくちゃいけない時間だ
クラス全員に、今までの記憶が走馬灯のように巡り巡る
…震えが、震えが止まらなくなってくる
やだ、殺したく無い
死んで欲しく無いよ…
「『うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!』」
僕と渚は一つのナイフを振りかざした
ピタ…
「『あ…』」
脈が落ち着く…
殺せんせー…っ
「そんな気持ちで殺してはいけません
落ち着いて、笑顔で」
最初に出会った時のこと
怒られたこと、ハワイまで連れて行ってくれたこと
映画を一緒に見たこと
他にもいっぱい思い出はある
まだまだ、先生と一緒にいたい、いたいんだ
一緒にいたかった…！
涙を流すみんな、それでも最後まで先生を見る
「『さようなら、殺せんせー』」
「はい、さようなら」
優しい笑顔で、そう呟くように
余計な言葉は、もう口に出さなかった
感謝、惜別
全ての気持ちを刃に込めて
魂を注ぐように、全身で“礼”をするように
僕等はナイフを差し出した
“卒業おめでとう”
最後に、そう言った気がした
殺せんせーの全身が、眩しく優しく弾けた
光の粒子になって
僕等の握った手から、消えていた
もう、あの優しい触手がない
「『うっ…うっ…ひぐっ…うぐっ、あっあぁ…
うぅあああああ！』」
僕等はその場で泣き崩れた
恩師がもういない
もっと、もっと、一緒にいたかった
黄色い触手が
ムカつくほどのあの顔が
万能な頭を持つ先生が
僕等の目の前で、天国へ旅立った
僕等の泣き叫ぶ声は、しばらく続いた
間も無く12時になる
椚ヶ丘中学校卒業の日
一足先に僕等は…暗殺教室を卒業した
ねぇ、殺せんせー
雪村先生に会えた？
そこに、僕の両親はいる？
会ったら、こう言っておいてくれるかな…？
僕、2人みたいに立派なヒーローになる
だから、天国で見守っててほしい
僕等の恩師と共に…
さようなら、殺せんせー…
さようなら、3年E組…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 199人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サッカーバカ(プロフ) - キョウヤさん» 炎はお父さんから受け継いだ個性です。心を読む方には、まだまだ謎を秘めています！表し方が難しく、すみません！！！！！！！個性については、またシリーズを重ねる毎に紐解いていくつもりです！ (2019年4月16日 22時) (
レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
キョウヤ - ん？夢主の個性って結局どんな個性？火出すヤツ？それとも心読むヤツ？一回整理してもらえると有り難いです (2019年4月10日 19時) (レス) id: 04d7a5d2e9 (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - アミさん» ありがとうございます！ (2019年3月19日 21時) (レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
アミ(プロフ) - やっとスッキリしました！ありがとうございました！更新頑張ってください!応援してます！ (2019年3月18日 22時) (レス) id: 0068c3a571 (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - アミさん» それに関して、私も説明を入れようと思っていました！渚と夢主さんは、父方がまたも双子なのです。オリジナル設定ですが、それで父が双子同士でその娘息子も瓜二つになったと、そう言う感じです。混乱させてしまい、申し訳ありません。本編でも紹介します！ (2019年3月18日 21時) (レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2019年3月16日 23時
