殺し屋のバレー II 【男主】

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「よく話に聞いてたあの“ネコ”と今俺たちが数年ぶりの再戦ってなると、ちょっとテンションあがるよな」

『…そうなんですか？』

「あぁ！」

「……………けど俺は、スガにも、西谷にも、合わせる顔がない」









申し訳なさそうな顔をする旭さんに、「まったくお前は…」と澤村さんはため息混じりに笑った









「デカイ図体して相変わらずへなちょこだな！
西谷と対極にもほどがある！」

「も少し言葉をオブラートに包めよ…」

「安心しろ！スガはもちろん、西谷も問題ない！
お前と違って懐が深いからな！」

「お前って“基本優しい”っていうキャラじゃなかったっけ…？」

「お前は対象外だ！へなちょこだからな！」

「………」

(基準が違いすぎる…)









どんな基準だこの人…いや、そう言う人だからキャプテンになれるのか？
いや、なれないだろ…いや、うーん…？









悶々と頭を悩ませていると、澤村さんは俺の肩に手を置いた









「ひと月もサボったこととか、なんか色々気まずいとか、来辛いとか、そういうの関係ないからな
まだバレーが好きかもしれないなら、戻ってくる理由は十分だ」

「！」

「あ、それとな」

「？」

「“エース”に夢抱いてる奴もいるんだからな
暁なんて、俺よりもレシーブ安定してるし、攻撃なんかお前の比じゃないぞ！」

『上げて落とすのやめませんか…それに俺は、まだまだで…』

「謙遜しすぎだ!!」

『っで!!』









ゴヅム…と重めの拳を入れられた
え、普通に痛い…寺坂や赤羽に殴られるより痛い…え、痛い…









「大丈夫？腕…」

『あ、はい…平気です』









心配そうに見つめてきた旭さんにそう答えれば、「そっか」と胸を撫で下ろしていた









「…暁ってさ、バレーできないの？」

『え？』

「あ、いや、昼休みに思い切りバレーできないみたいなこと言ってたから」

『………俺、足故障したんです』

「！」

『中2の春頃に…練習ばっかしすぎて、試合で取りに行けないようなボール無理に上げて壁に激突してそのまま…
その後も、また足故障するようなことして…インハイまでバレーは止められてます』

「…そんな…」

『けど、俺はバレーを続けることを諦めたわけじゃないんです
足は治るし、絶対バレーができる
俺は、約束したんです…いつか、オレンジコートに立つって』

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