15話 喧嘩の時間 ページ47
「アッシュ！アーーッシュ！」
「なんだよ、英二…」
「今日で何回目だい!! あの女の子の誘いを断るの！」
「別にいいだろ…」
「えーと、何があったんだ？」
お昼頃、久しぶりに全員が集まってお昼を食べることになり、今は英二がアッシュに怒っていた
その内容は、この間会った女の子のお誘いをアッシュがことごとく全て断っているらしい。しかも今日で5回目
「アッシュ、さすがに彼女が可哀想だよ」
「なんだよ、英二。あいつに頼まれたのか？」
「そうじゃないけど…かわいそうだよ」
「俺は好きでもない奴と一緒にいたくないんだ」
「そうかもしれないけどさぁ…」
「一度付き合って勘違いされると嫌だからな」
(耳が痛いことで)
オムライスを食べながら心の中で呟くと、「ま、わかる気がするぜ」とルカが頭の後ろで手を組んでため息を吐いた
「俺も昔、一回だけ遊びに行っただけなのにそれで自分が彼女だとか言って喚き散らした奴がいてさ…あれから女は怖いと思った」
『あぁ…泣きついてきた』
「そうそう！いやぁ、まさかたかがバーに行って酒飲んで終わっただけなのに…なんでそんなこと…」
「…昔っていつ？」
「さあ、覚えてねえや」
「…エスタナが知ってるってことは最近だろ？」
「あ"…あーーー…そうだっけ」
『2、3ヶ月前じゃない？』
「それが昔になるのかよ…」
「お、俺は過去を振り返らないんだよ！」
さりげないフォローに感謝しているルカは、「ありがとうございます」と笑いながら訴えていた
「でもさあー」とシンがカレーを食べながら口を開いた
「アッシュが探してる奴って、本当にいるのか？」
「いる」
「自信満々かよ」
「…カマかけたら多分ボロ出すんだろうけどな」
「え、怖」
(さすが、IQ200様)
オムライスを頬張っていると、ガタッと足音が聞こえてきた
そして、耳障りなあの声も聞こえてくる
「エナスタシア〜〜〜〜!!!!」
『うげっ!!?』
「「？」」
「なんだあ？」
前方からキラキラと輝いた笑顔で走ってくる男が1人
ロシアからの追っかけで、しつこく結婚を申し込んでくる男である
『最悪…うわ、うわぁ…やばい』
「エスタナ、どうした？」
『うわ…えー…女子トイレどこ…』
「お前、何があった!?」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年6月28日 17時
