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「あなたが、エナスタシア？」
『……えっ、えぇ…』
カフェで暇を潰していると、目の前に私そっくりな彼女が現れた
名前はもちろん、レオン・クラウン
「はじめまして、私は」
『レオンでしょ？アッシュが言ってたわ』
「え、えぇ…。レオンよ、よろしくね」
『エナスタシアよ、よろしく』
「エスタナ」と呼ばれたくなくて私は名前を言った
作り笑いを向けて、「呼ぶな」「入り込むな」というオーラを作り出す
彼女はそれを読み取ったのか、「エナスタシア、ここいいかしら？」と前の席に指をさした
私は小さく頷くと、彼女は静かに席に座った
「単刀直入に聞くけど、アッシュとはどう言う関係？」
『ただの知り合い』
「えっ？」
『ただの知り合いよ』
友達なんて言ってない
違う学部でたまたまお昼を一緒にしただけの知り合いだ
冷たくなったコーヒーを口の中に入れると、「でも、彼は」とレオンが戸惑う
『もう、いいかしら。私行くところがあるの』
「えっ…エナスタシア！」
目の前にいる「私」にそう告げて立ち上がり足早にカフェを後にする
いやだ、こんな自分…惨めに見える
「あっ、ボーース!!」
『カイト』
「ひっさしぶり〜!!」
『どうしたの、こんなところで』
「それがさぁ、今からの授業が休講になっちゃってさ
でね、ボス」
『？』
「ちょっと付き合ってよ」
アッシュside
レオンがエスタナと話していたけど、用があって帰ってしまったと言われた
送るつもりだった俺としては、レオンとも帰りたいと思っていたが、用事があるなら仕方ない
「あ、エナスタシアだ」
「え？」
レオンが向こうの通りを見てそう言った
たしかにエスタナと誰かいる。そう、誰かだ
その誰かはクラウンのカイトだった
『ちょ、カイトお前』
「いいじゃーん、ボス!! 頼むよ〜!! 俺の幼馴染の好みとか女の子がどんなの好きなのかわかんねーんだよー!!」
『知るかッ!!!』
ぎゃーぎゃー騒いでいる2人組を見て、「なんだか楽しそう」と言うレオンに俺はほんの少し違和感を覚えた
「お前、アイツを知らないのか？」
「え？」
コイツは、レオンなのか？
「…………」
「アッシュ？」
「…レオン、お前…誰だ？」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年6月28日 17時
