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ガラッと静かに開けられたドアから、部屋に入っていくルカは「おーい、客人だぞー」と言いながら進んでいく
「お、ルカ」
「なんだよ、いきなり」
「会わせたい奴とか言われてもさ」
「リアラはずっと機嫌いいし」
「今日は、すっげェ奴連れてきたんだぜ？」
「？」
ルカがひっそりとどくと、私の姿が現れる
全員の顔を一目見て、私はゆっくりと目を閉じた
全員が、私を見て息を呑む
『久しぶり、みんな』
「「ボス!!」」
ドタバタと私の元に駆け寄ってくるクラウンのみんなに、「ストップストップ」とルカが割って入った
「今のボスは昔のボスとは違うんだ」
「は？どう言うことだよ」
『レオン・クラウンの名前は昔の名前なんだ
今の名前はエナスタシア・ヴァリシコフ…今はエスタナだよ』
「マジかよ…」
「待ってくれ、ヴァリシコフって…」
「ブランカだよ」
「まあああああああじでえええええ!!!?」
アニメのキャラのように驚いたマキアラナに、「うるっせぇよ!!」とカイトが怒鳴った
「マジかよ…」
「あのセルゲイ・ヴァリシコフ!? あの狙撃の!? 救出作戦にいたあの!?」
「落ち着け」
かつての仲間達が今目の前にいる
綺麗な服を着て、健康な体で、銃なんて持っていない、人を殺していない綺麗な手で勉強に励む仲間たちに、なんだかもう…幸せを感じるばかりだった
「にしても、まさかボスがロシアの天使になってるなんて…」
『はははっ…ストリートキッズのボスがロシアの天使だよ…悪魔から天使って…笑える』
「…おい」
『…ごめん。それで、みんなは今なにを？』
「俺ら一応2、3年なんだぜ」
『…あ、そっか。一応は私の年上だった』
「今の今まで忘れてたのかよ」
『あの頃はまぁ…尖ってたし』
「だろうな」
ルカが肩を落としながらも「さて、これからはどうする？我らがボス」と一歩、二歩と進んでいくと窓から差し込む光をバックに目を光らせた
「たとえ姿形が変わっていようと、エナスタシア・ヴァリシコフは俺たちのボス…レオン・クラウンだ
お前が昔のことを忘れたいと言うのなら、何も言わない
もしも、お前が昔のように笑いたいというのなら、俺たちは全力で答えるしお前を守る」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年6月28日 17時
