ヤマネコが愛したライオン2 (ページ31)

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パーティーはどんちゃん騒ぎで酒を飲んでは笑いあって、まるで昔のような大騒ぎに幸せを感じていた

「はああぁ…疲れた」

「ごめんね、片付け手伝ってもらって」

「招待されたからな、手伝わないわけにはいかないよ」

「で、なんであいつら寝てんだよ」

ソファの上でショーターとシンが爆睡する中、私たちはパーティーの片付けを始める
皿洗いを英二が、ゴミ捨てをアッシュとルカが、散乱した荷物を私が片付けていると、テーブルに置かれたスマホが揺れた

「エスタナ〜電話だぜ〜」

『はーい』

ろくに画面を確認せず『はい、もしもし』と出ると《やあ、エナスタシア嬢》と甘ったるい声が聞こえてきてブチリと電話を切った

数秒後、同じ人間から電話がかかってきて着信拒否として設定する
また電話番号変える必要があるのか…今回はどれぐらいもった？1年はもった方か…

『ごめんなさい、兄に電話してくる』

「うん、気にしないで」

電話帳をスクロールしてブランカの電話番号をタップして電話すると、《アロー？》といつもの声が聞こえてきた

『電話番号がバレた』

《なんだって？》

『電話番号が、バレた』

《はあぁ…今回は1年ってとこだな》

電話の向こうで頭を抱えているブランカに私はどうしてやることもできずに『そうだね』と答えておいた

電話相手のことはおいおい説明するとして、今は電話番号を変える手続きをブランカにお願いすることだ
というよりも、スマホ自体も変えた方がいいだろうな

《念のために機種も変えておこう。明日会えるかな？》

『明日？』

《あぁ》

『ちょっと待って』

スケジュールを確認するためにリビングに戻り、自分のカバンから手帳を取り出して今月のページから明日の予定を確認すると珍しく白紙だった

『OK、明日なら大丈夫』

《じゃあ、迎えにいくから待っていなさい》

『ホテルに行くけど…』

《念には念を入れろ、だ。ただでさえお前はトラブルメーカーだからな》

『ほっとけ』

電話を切ると、「誰からだ？」とルカが聞いてきて着歴を見せると「ヒェッ…」と短い小さい悲鳴をあげた
もちろん、ブランカの名前でルカは「ホント、怖い…」と青ざめた