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レオンside
『……………………なんで、いるの』
「ルカに代わってもらった」
朝の6時、私がいつも出て行くのは朝の8時半
アッシュはいつもその時間で迎えにきているから、罪悪感を感じながらも朝の早くから出ていた
「ルカが朝早くからきついんだとよ」
『………』
「で？毎朝6時から出て8時半には学校にいる
空白の2時間半、お前は何をしてるんだ？」
『……ッ』
グッと押し黙り、アッシュから目を逸らした
あまり見て欲しくなかった
そして私が何をしているのかも知られたくなかった
「ここ最近のルーティンなんだってな。オーサーに聞いた」
『………』
「…俺もついていきたい。だめか？」
懇願するようなその言い方に、私はゆっくりと息を吐いた
きっと彼は、私が「いいよ」と言うまでしつこく付き纏うのだろう
『嫌って言ったら、どうするの？』
「まあ、無言でついて行く」
『…………』
結局はついてくるらしい
私はため息をつくと、『徒歩で来たの？』とアッシュに聞けば、「バイク」と彼のバイクがアパートの前に停められていた
「バイクは乗れるだろ？ルカの乗ってたし」
『え、あ、うん…』
「ロシアじゃ乗れなかったのか？」
『兄がね。免許は取らせてもらったけど』
「ふーん」
ヘルメットを手渡され、「どこに行くんだ？」と聞いてくる彼に、私は素直にスマホを手渡した
「これは？」
『私が、育った孤児院の跡地』
「！」
アッシュは住所に目を通すと、「30分か」と呟きバイクに跨ってエンジンをかけた
「エスタナ、後ろ乗れよ」
『うん』
ヘルメットを被り、アッシュの後ろにまたがる
懐かしい感覚の、キュッと彼の服を握ると「おい」と少しブスッとした顔でこちらを見てくる
「落ちる気かよ」
『え？』
「ちゃんとつかまっとけ」
グイッと引っ張られてそのままアッシュの背中に抱きつくようになると、アッシュは満足げに「しっかりつかまってろよ」と言う
『…昔みたいだね』
「え？」
『ううん、なんでもない』
首を横に振ってアッシュの背中にぴたりとくっつけば、「…動くぞ」と言い、彼はバイクを走らせた
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年6月28日 17時
