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ルカside
「で、だ…ルカ…お前何か俺に、隠してないか？」
昼休み、俺はアッシュに「昼を奢るからちょっと付き合え」と言われてホイホイついていった
ついていった先は、使われていない空き教室だった
つまり、俺は死ぬんだな
OK、とりあえず言わせてくれ。俺はこの場から逃げたい
「ルカ、素直に言えばいい」
「イエトモウサレマシテモ」
かちんこちんに固まる俺にお構いなしのアッシュは、「エスタナのことだ」と直球できた
どストレートの球をモロにくらった俺は、「お、おぉん？」と変な声を出した
「最近のエスタナは人付き合いもまるで違う
昔の“レオン”のようにだ」
「！」
「俺はアイツがレオンだと思ってる。そして、お前も何か知っているんだろ？
知ってるなら教えろ、アイツがレオンなのかどうか」
確信めいたその言葉に俺はグッと押し黙った
ここでレオン＝エスタナという展開を伝えれば、こいつは急いでエスタナのところに行くだろう
だけど、この数ヶ月で、いや…あの男の一件があってからエスタナ本人は殻に閉じこもったようになった
つまり、昔のように大切なものを守るためにあの地獄のような7年を思い出させるような顔つきに変わっていった
そこには、ロシアの天使と呼ばれた綺麗な顔ではなくあの娼婦上がりの殺人鬼の顔つきだった
まさしく、俺たちのボスの顔だった
「…どうなんだ、アイツはレオンなのか？」
レオンだって言ってやりたい
この2人は昔も今も、想い合い、愛し合っている
幸せになってほしい、ここにいる限り、ずっと、ずっと一緒にいてほしい
だけど、アイツはもう…
アッシュのものにはなれない
「仮にアイツがレオンだったら、お前はどうするんだ？」
「もちろんそばにいる」
「………あいつがレオンじゃなくても？
アイツが、エスタナというだけの存在でもか？アイツにレオンとしての記憶がなくても、お前はエスタナ本人を愛せるのか？」
「……………」
捲し立てるように言ってやれば、アッシュは「俺は、アイツという存在を愛してる」と歯の浮くような、昔とは違った態度ではっきりと素直にモノを伝えてきた
「エスタナであろうと、レオンであろうと、アイツという存在を愛すると決めたんだ」
(…うん、こいつやばいよ。離す気さらっさらねえじゃん)
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年6月28日 17時
