ヤマネコが愛したライオン2 (ページ22)

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10話懺悔の時間ページ22

アッシュside

あの男の一件からエスタナは人が変わった
常に行動するのはルカかオーサー。俺たちと話すことはなくなり、学科が違う時点で接点も無くなった

俺が迎えに行こうとしても、既に出たあとでどうやらルカが送り迎えをしているらしい
朝早くから行こうとしても、俺の寝起きは最悪でなんとか起きたとしてもエスタナはアパートを出たあとだった

そして、なんと言っても、エスタナは自分を他人に干渉させないように徹底し始めた
そのやり方はもう昔のレオンと同じだった

「エナスタシア、今度俺と練習を」

『ごめんなさい、私オーサーと先約があるから』

エスタナに気のある奴らは全員玉砕される
俺としては、ずっとオーサーと一緒にいられて少し嫌だ

レオンside

「んで、最近あの視線は？」

『あぁ、ぴたりと止んだね。どうやら、あの2人に近づかないようにすればいいらしい』

「ふーん、なんか腹立つな」

『まぁ、どうだっていいさ…調べはついた？』

「あぁ、今リアラが接触してるぜ？どうする？」

『どうもしない。私はもう足を洗ったんだ、お前が好きにすればいい』

「俺、女嫌いだしな〜。喚き散らすわ、怒り散らすわ、ホーント…意味わかんねえ」

『同じ同性として喚き散らすことに恥を感じる…
私は、怒鳴り散らすことも、逆らうこともできなかった』

「…？どういうこと…」

ルカが聞いてきた言葉を遮るように、私は口を開いた
たった一言、その一言にルカは絶望を抱いた

「ウソ、だろなあ、エスタナ…いや、レオン!!
ウソだって言ってくれ！なあ、そんなこと、ウソだって、ウソだって言ってくれよ！」

『事実だよ。どこに行っても、どこで何をしようと、私は変わることができない』

「だってそんな…あの男がいるんだろ!? あのおっそろしく強い男の妹で…！蝶よりも花よりも大切に…！」

懇願するルカに、私は目線をそらすことなくまっすぐと見る
その事実が「ウソ」でないことを悟ったルカは、「そんな」と崩れ落ちた

「なんで…ッ、お前がいたのはロシアで、ブランカがそばにいる場所なのに……………
なんだってまた…ッ、“レイプ”されなきゃならないんだよ…ッ！」

『レイプされたんだ…15の時…ロシアの路地で』

私のそのたった一言に、ルカは絶望を抱いた