ヤマネコの相棒はライオン8 (ページ8)

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『これはこれは、李月龍が私に何の用？』

「相変わらずよく回る口だね、“レオン”」

『この怪我については感謝するよ。なにせ、重体だった私をアンタが助けてくれたんだってね』

「キミに恩を売っておくのも悪くないと思ってね」

刺々しい会話にルカはハラハラと見守っている
ギスギス、トゲトゲ、ハラハラ、今のこの空気にはピッタリだろう

黒のタンクトップの下からは、グルグルと巻かれた包帯が見え、ベッドから降りたレオンは今まで寝ていたとは思えないほどのしっかりとした足取りで月龍の前にたった

『で、早く用件を』

痺れを切らしたのか、レオンはベッドに腰を下ろし足を組み敵である月龍を睨みつけた

「キミに折り入って頼みがある」

『………？』

「僕を守ってくれないかい？」

『…は？』

月龍の口から出た言葉にレオンは、間抜けな声を出した後『からかってるの？』と鋭く目を光らせる

「キミが死んだことは瞬く間にニューヨークやダウンタウン、ニューハンプシャーにまで駆け回っているのは知っているかな？」

『テレビをつければニュースで取り上げられてる話題は大体そればかりだからね』

「もちろん、死んだことにしたのはこれからのことだ」

『…これからのこと？』

「そうだよ」

小さく頷いた月龍は、「アッシュ・リンクス」とレオンの最愛の人間の名前を出した

「彼は今現在、英二と共に日本にいるのはキミも知ってるだろう」

『それがなに？2人に何かするつもり？』

「いいや、これからは彼らと僕は無関係だ
手を出さないと誓うよ」

『どうだか』

その約束にレオンは守るつもりがあるのかどうかを見定めるように月龍を見つめた

「アッシュがキミが死んだことを知った時、錯乱状態で僕を訪ねてくるだろうね」

『…！』

「刺されたとなると、キミに恨みを持つ人間の仕業…考えればチャイニーズのラオやごく一部のグループの人間だ
情報を手に入れるために僕の元に来るだろう」

『………つまり？』

「僕なら、彼を欺ける。それに、キミに手伝ってもらいたいのさ」

『…？』

「僕は近々命を狙われる。李家の子息の僕をよく思わない人間はたくさんいるからね」

『…………つまり、私のことを黙っててやるから手を貸せ、そういうこと？』

「簡単にいえばね」