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ルカとのあの電話から1ヶ月が経ち、日本に来て2ヶ月ちょっとが経つと伊部が英二の実家にやってきた
アメリカで撮った写真を現像して持ってきたらしく、俺とレオンにという写真も何枚かもらった
どれもこれも写りが良くて、本当に俺なのか？と問いただしたいほどのいい表情で写っていた
レオンとはしゃいでる写真、4人で撮った写真、バカやってる写真、いろんな写真を見せてもらっていると、伊部のスマホが震えて「そのまま見ててくれていいよ」と席を立ち部屋を出ていった
「どれもこれも、みんないい顔してるね」
「見ろよ、英二。ショーターのこの顔」
「なかなかだ…！」
あははははと笑い合っているこの空間は本当に穏やかで、アメリカにいた時とは大違いだった
どうやら今の俺はだいぶ気が楽みたいだ
「えっ!!? それは本当か、マックス!!」
「？」
「伊部さん？」
俺はまだ日本語を教えてもらって間もないし、流暢に喋れたり書いたり読んだりするのはまだまだだ
伊部が狼狽えた英語が聞こえてきて何があったのかわからない
「様子を見てくるよ」
「あぁ」
部屋を出た英二を見送り、タタミという床に広げられた写真を手に取って撫でる
英二がふざけて俺とレオンがキスしてるところを写真に撮ったり、じゃれ合ってるところを撮ったり、どれもこれもうまい
カメラマンの助手も伊達じゃないな…。なんて戻ってきたらからかってやろうと頭の中で英二の反応を考えていると、「そんな！」という英二の声が聞こえてきた
ただそれが日本語だからなんと言っているのかわからず、俺は部屋の取っ手に手をかけて外に出ると、伊部と英二が深刻そうな顔をしていた
「どうしたんだ？」
「あ、アッシュ…実は」
「？」
青ざめている英二と伊部に俺は「何があった？」と聞いてみると、英二が「アッシュ、どうか落ち着いて聞いてほしい」と言うので眉を寄せていると、英二は薄く震えた唇を開いた
「レオンが死んだ」
静かな廊下で、静かに告げられたその言葉に俺は目の前が真っ暗になった感覚になった
「えっ…」
「2ヶ月前、図書館の前で刺されて……そのまま」
「うそ、だろ？英二」
レオンが、死んだ？
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年6月22日 16時
