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『ふざけないで。さっさと放して』
「嫌だって言ってるだろ。もう離さないって今決めたんだ」
『なにそれ、勝手すぎる。いいから放して』
「嫌だ」
逃がさない、もうどこにも行かせない
そう強く心に誓っていると、「母さん!」という声が聞こえてきた
「うげっ…こんな時に……」
「ルカ?」
「馬鹿やろー!! トウヤ、止まれ!!」
「え?」
『ルカ!』
「!」
「あーーもーー!トウヤ、ホテルに戻れ!」
レオンのことを「母さん」と呼んだ
つまり、レオンの子供ってことか?
「おい、なんだよあれ…誰との子どもだよ」
『誰だっていいでしょ…7年経ってるんだから、誰との子どもだろうと』
「本気で言ってんの?お前の子どもなのかよ」
『そうだって言ったら、どうするのよ』
パンッ
「アッシュ!」
「レオン!」
気づいたら殴ってた
レオンの頬を、思い切り
「…そうかよ、7年想ってたのは俺だけかよ…
なら二度と俺の前に出てくるな…ッ!消えろよ!!!」
「アッシュ!」
レオンから放れて怒鳴りつければレオンは、無言で背を向けて歩いていく
「あ、おい!待てってレオン!
だーくそっ………なんだってこんなときにトウヤの奴………!悪いな、お前ら今回のことは忘れてくれ!
俺たちのことも忘れてくれると助かる!じゃあ、また…って言うのもおかしいか二度と会わねぇだろうし…とにかく、元気でな!」
「ルカ!待って!」
歩いていくレオンを追いかけるルカたちは、少しすれば人混みに紛れて消えてしまった
「アッシュ!なんであんなこと言ったんだ!
思ってもないことを言って彼女を傷つけてどうするんだ!」
「アイツは俺のことを忘れてガキを作ったんだぞ!」
「彼女の子供って誰が言ったのさ!
身寄りがない子の母親になったかもしれないじゃないか!」
「…トウヤ、どっかで聞いたな」
「シン、知ってるの?」
「うーーーん…………。あ、そうだよ、ソルティアーノのガキだ」
「「は?」」
俺と英二の言い合いにも耳を貸さずに1人で解決させたシンに俺と英二は声を合わせた
「…どういうことだよ」
「ソルティアーノが4年前に結婚したんだけど、母親が病死しちまったんだって…
そんで、クラウンの奴らが面倒見てるって…」
「じゃあ、アイツは…」
「レオンの子じゃない」
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年6月22日 16時