ヤマネコの相棒はライオン8 (ページ47)

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「どこにも、行かないでくれ…もう、お前を失うことが………怖いんだよ」

骨が折れてしまうんじゃ無いかと言うぐらい抱き締めた
抵抗することがなくなったレオンは、『なん、で…』と震えた声で聞いてくる

『私はもう、みんなに会わないって決めて7年生きて…私のことなんて忘れてくれたら』

「お前のこと忘れる？馬鹿言うな、初めて愛した女を忘れる？そんなの、天と地がひっくり返っても絶対ないね」

『…………』

「お前が死んだと聞いてどれだけ俺と英二が辛かったかわかるか？
もうあんなことになってほしく無い…お前を失いたくない…もう俺から離れないでくれ…ずっとそばにいてくれ…ずっと、俺が死ぬまで」

俺の言葉にレオンは、『……人殺しが幸せになれるっていうの？』と冷たく言った
俺はレオンの顔を見るために離れると、レオンは怒りを宿した瞳を向けてきた

俺に向けられたことのない、その瞳を

『足を洗ったことはいいことよ、アッシュ
あなたは死んだ人間でもう誰にも支配されることのないアッシュ・リンクスになった
26歳なんてこれから何でもできる、私に囚われて生きるよりもっとマシな生き方がある
あなたならよりどりみどりじゃない…綺麗な女の子と手を繋いでデートして人並みの幸せを貰えばいい
私はこの生き方しか知らない、27年間積み重ねたこの生き方以外何も知らない、もう戻れないんだよアッシュ
あの頃のように楽しかった思い出を作っていた時のようなことは』

放れようとするレオンを、俺は逃がさないように強く肩を握った

「嘘だね。お前はいつだってそうやって自分の気持ちを押し殺して俺たちのために我慢する
そんなことが見抜けない馬鹿な男だと思ったか？悪いけど、何年お前と一緒に苦楽を共にしたと思ってる？
お前のことぐらい、いやでもわかる
少しでも俺たちのために身を引こうって言うんなら、俺はお前を逃さないし、人殺しをすることもやめさせる
もう7年経ったんだ、もう何もしなくていい、俺のそばにいてくれ」

『自分勝手だと言われないの？それで英二の手を煩わせてるんでしょ？
…悪いけど本当に行かないといけないの、放して』

「嫌だ」

キッと睨みつけてくるレオンに俺も負けじと睨む