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「どうしてそんなことを？」
「奥村さんのアルバムを見てたの
「L」って書いてあるとこだけ写真がないの」
「…Lは「ライオン」って意味さ…獅子とも呼ばれてた」
「？」
「先に帰って待ってな。すぐ行くから」
そう言われて大人しく奥村さんの家に帰って待っていると、シンは言った通りに帰ってきた
ある部屋に入れてもらうと、ノートパソコンが一台置かれていた
「ほら、こいつが「レオン」だ」
「古いノートパソコンだね。レオンって人が使ってたの？」
「そうだよ。アッシュの許可を得て俺が使ってるんだ」
「…奥村さんはその人のこと好きだったの」
「大好きだったよ。アッシュは特にアイツを愛してた」
「…綺麗な人？」
「綺麗だったよ。初めて見た時、俺の初恋だったんだから」
「えっ」
「同じ人間とは思えないほど綺麗だったよ
アッシュと同じ金髪に、空を映したようなライトブルーの瞳
長く細い手足、優雅な身のこなし、IQはアッシュがいうには200はあるってよ
知性と教養…美しいソイツにアッシュはベタ惚れさ
英二も大切に思ってただろうな」
なんだか聞いてて苦しくなってきた
私はギャラリーに戻って手伝ってくるとだけ言い残して部屋を出て行った
「女だなぁ、チビでも。え？レオン
思い出と戦っても勝ち目はない…か」
綺麗な人、同じ人間とは思えないほど
奥村さんも、アッシュも、今でもその人が忘れられないんだ
シンside
アキラが出て行ったのを見た後、俺はレオンが愛用していたというノートパソコンをルカから譲り受けたのを思い出した
それをアッシュに手渡し、形見だと言うとアッシュは泣いて壊れないように抱きしめていた
まるで、ノートパソコンをレオンのように見立てて
大学に入る頃に「使え」と言ってくれた
遠慮したものの、「使った方がいい」とだけ言われた
今じゃ論文書いたりするのにすっげぇ役に立つし、アッシュもいてくれるからなんとかなっている
「満足だろう。あんたは永遠に英二とアッシュを手に入れた
知ってるか？あの2人、この7年間絶対市立図書館に近寄らないんだ
建物の見える場所にすら寄り付かない…。あの図書館を愛用していたアッシュでもだ…
俺に本を借りてこいとまで言うぐらいなんだぜ？
…あの時、あんた何を考えてた？」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年6月22日 16時
