45話 訃報の時間 ページ5
それから1週間、英二と回れる場所を回りまくった
イズモから出て、オーサカ？やキョートという場所も回ってたくさん遊んで遊び疲れて、いろんなことをして、いろんなところを見て回って、本当にここが日本で平和な場所だということを実感させられた
銃も殺しもない何もない
(レオンのやつ、大丈夫か…？)
夜、月明かりに照らされた部屋の中で空を見上げながらいる
アメリカに残してきた恋人に連絡を取ろうにも、出国前に問題が起きたと言っていたルカの言葉で俺は連絡するのを躊躇っていた
メールくらい送ってもいいんだろうけど、もしも忙しかったら邪魔になるだろう
レオンはいつだってすぐにメールを送り返してくれる
ディノに捕まってた時は無理だったろうけど
(今の時間だと向こうの時間は…)
時間を計算して朝だとわかり、すぐに電話を入れてみると《あーーー、はいはい！》と慌てて声が聞こえてきた
もちろん、それはレオンの声じゃなくルカだって
「ルカ？」
《ゔおっ!!? アッシュ、か？》
「あ、あぁ…」
《わ、悪いな今立て込んでて…》
《ルカ！さっさとしろ!!》
《わーってるよ！今アッシュからの電話出てんだ！先行ってろ!!》
電話の向こうからは騒ぎまくる声が聞こえてきて俺は「掛け直した方がいいか？」と聞いてみると《いや、大丈夫だぜ！》といういつもの調子の声が聞こえてきた
《で、どうしたんだ？》
「あ、いや…レオンは元気か？
連絡してなかったし…声が聞きたいなと思ってよ」
《あー…悪い、今ほんとに忙しくてよ…スマホも見てないぐらいで…
急ぎの用件なら俺から伝えるけど》
「いや、いい…すまない、忙しいのに」
《気にしなくていいよ。アッシュはボスの恋人だからな》
フッと笑みが溢れると《ルカ、終わったぞ!!》というユーリの声が聞こえてきて《ホントか!?》という狼狽えた声が聞こえてくる
《悪い、アッシュ！レオンには俺からまた伝えるから！日本を楽しめよ！》
「あぁ…土産話をたくさん持って帰るって言っておいてくれ」
《…っ、あぁ…》
一瞬言葉が詰まったのか、ルカは《じゃあな》と言って電話を切った
ルカがいるし、レオンは死なない、俺は布団に寝転がった
だが、この考えが甘かったんだ
「アッシュ…悪いッ………」
今現在、レオンがどうなっているか俺は知らなかった
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年6月22日 16時
