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「僕のせいで引き離してしまったからね」
『……今更さ…また街のダニとして生きることぐらいわかってたさ…』
「……やっぱり、その道で生きて行くのかい？」
『…………街のダニとして生きてきた人間が、今更陽の当たる場所で生活なんかできない
わかってるでしょ？私もアンタも、あの2人のようになれないことを』
月龍は短く切った髪の毛を風に揺らしながらこちらを黙って見ている
サングラスを外し、セントラルパークで遊んでいる子供を見つめる
『人並みの幸せなんて7年前にたくさんもらった…
あのときは本当に幸福だったんだ…この世に少なくともただ1人だけは、なんの見返りもなく私とアッシュを気にかけてくれる人間がいた…
もうこれ以上ないくらい、私は幸福でたまらなかったんだ』
「それは、キミが破滅するしかなかった」
『偽物に囲まれて生きるより、ずっとよかった
あの2人のそばにいて、そばにいれて本当に幸せだった
たったそれだけの思い出で、私はこれからも生きていける…
もう二度と会わない
でもそれでもあの2人は私の友達だ、たとえ一生会えなくても、想うことぐらい許されるでしょ？』
「………」
月龍が黙り、私はサングラスをかけ直して立ち上がった
『これからはもうあんたにも会わない…これからのことは、シンとがんばれよ』
「…あぁ…7年間、本当にありがとう」
『こちらこそ。死人にしてくれて助かったよ
さよなら、月龍』
「さよなら、レオン。どうかキミに幸せが来ることを祈っているよ」
白いその手に触れて握手をする
もう二度と会わないこの中国人に、私はサングラスをかけ直してその場を立ち去る
暁side
「アーちゃん、ホットドッグ買っておいでよ。アッシュも一緒に」
「あぁ」
「はーい！」
アッシュと一緒にホットドッグを買いに行く
マスタードたっぷりのホットドッグと普通のホットドッグ二つを買い、コークも3人分買った
「アッシュは恋人いないの？」
「ませてるな、暁。どうしてそう思った？」
「だって、アッシュこんなにかっこいいのに浮ついた話がないんだもん」
「…昔、いたよ…これ以上ないほどに愛した人が」
「…今その人は？」
「……遠いところに行っちまったよ
俺でも行けない、遠いところに」
綺麗な緑の瞳で遠くを見つめる彼に気を取られて、私はドンッと誰かにぶつかった
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年6月22日 16時
