ヤマネコの相棒はライオン8 (ページ36)

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48話 7年の時間ページ36

「もう俺たちもあれから27だぜ？
アッシュなんか26だ。会いに行ってやれよ、月龍からもう終わったって聞いたんだろ？」

『………………死んだって信じてしまった人間に、今更「生きてました」なんて言えるか？』

「……」

『私は今の生活が1番落ち着くんだ…それに、あの幸せに手を出したくない』

「頑固だな、英二にますます似た」

ルカが言う言葉を無視して、立ち上がる
もちろん、今から行くのはニューヨークだ

「会いに行くのか？」

『バカ言うな。フライから武器をもらいに行くだけ』

「…………ホント、頑固な奴」

バイクに乗り、フライとのやりとりを終えた後静かな街並みであるグリニッヂ・ヴィレッジの近くを通る
あの頃とは全く別世界にでもいるのではないかと思えるほどの綺麗な街並みで、ここにあの2人がいると思うと少し嬉しかった

あれから髪を伸ばし、ひとまとめにしてサングラスをするようになった
少しでも私と言う人を覚えられないようにするためだ

もちろん、月龍に言われた通りに中国語や日本語を覚えて3年でマスターしておいたのはつい最近のようで昔のことだ

「奥村さーん!! アッシュー!!」

『！』

セントラルパーク近くでシートを広げているのは、7年も変わらない顔で髪を伸ばした英二と、あの頃よりも少し体つきが良くなってよく笑うようになったアッシュがいた

傍には、英二と同じアジア系の女の子だろうか…
3人で楽しそうにピクニックを楽しんでいる

(…楽しそうでよかった)

会うつもりも見かけるつもりもなかったものの、このセントラルパークで会う人がいるので、中に入らなければならない

できる限り顔を見られないようにサングラスをして帽子を被り、中に入って行く

「やあ、リオーネ」

『こんなところに呼び出すなんて、華僑は暇なの？』

「別にいいだろう？それに、キミの大切な人の姿を見れてよかったじゃないか」

『やっぱり…』

「シンが今日ピクニックをすると言っていてね。僕はこれから香港へ向かうところでね…。一応キミにも挨拶をしておこうと思ってね」

『なら、空港でもよかっただろ。なんでここに…しかも、2人が見えるような場所に』

「少しでもキミに幸せを感じてほしいからさ」