47-3 ページ27
「おい、ディッキーやめとけソイツは…」
「あ？」
「俺のボスだぜ？」
「は？お前のボスだぁ？」
私の顎に手を添えてキスをするような仕草にルカは、「わっ、馬鹿!!」と慌てて止めに入ってくる
「おい、薄汚い手で人の女に触るな」
「えっ、そなの？」
『なわけ』
フォークを手の中でクルクルと回し、マジックをして見せれば「お見事」とパチパチと手を叩いたルカは数秒止まった後「いや、そうじゃねぇ」と1人ツッコミを始める
「こいつがお前の女だと？
いつからそういうことになったんだよ」
「たった今さ。俺がそう決めたんだ、とっとと失せろ！」
「なにぃ!?」
「なあ、止めなくていいの？」
『関係ない』
「そりゃそうだけどよぉ…お前の彼氏、すっげェ顔で睨んでるぜ？」
『ほっとけばいい』
「またそんなこと言うぅ…」
後ろで派手な言い合いが始まったとき、「やめろ2人とも！」とショーターの怒号が飛んでくるとアッシュが「なに他人の女になってんだよ」と肩を組んでくる
ルカには『いいから行け』と目だけで指示をすると、私の分のトレイを持って歩いて行ってしまった
『なった覚えはないけど？』
「ふーん…俺だけ見ててくれよな」
(すまんがそれはない、うちのボスはやるときゃ殺るやつだぜ)
ルカが余計なことを考えているようで、後で締めておこう
ーーーーー
ーーー
ー
『で、何か言うことは？』
「余計なこと考えてすんませんでした」
『よろしい』
木陰で本を読みながら許すと「お前ほんとおっかねぇな」と言うルカに『あ"？』と言えば「ひっ」と小さな悲鳴が返ってくる
「…つーかそれ、ヘミングウェイの“海流の中の島々”？なんじゃそれ」
『特に理由はないよ。ねえ、あのショーターって知ってる？』
「なんか、あいつらも一目置いてるみたいだけどな
深くは知らないよ。でもなんか、入ったばっかの時にあのフラワーってやつにカマほられそうになったのに抵抗して勝ったらしいよ
まあ、ショーターに手を出すってことはお前は相当苦労者だな」
『……………馬鹿馬鹿しい、あいつらが襲うのは痛めつけたいからだよ
自分の力を誇示して服従させるため
弱い者はさらに弱い者を見つけて痛めつける
食物連鎖の最後が私ってことさ…お前らもそうだったろ？ニューハンプシャーで私を標的にした』
「…まあそうだけど」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 24人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年6月22日 16時
