ヤマネコの相棒はライオン8 (ページ25)

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47話出会いの時間ページ25

ー4年前ー

アッシュ・リンクスという一つ年下の男の子と付き合うことになったものはよかった
だけどそれはいけない恋だというのはわかっていた

『チッ…少年院なんてごめんだよ』

「俺もさ」

まだ成長途中なのか、もう来ないのかよくわからない彼の身長はもう私と並び立つほどだった
と言っても、私もまだ伸び盛りで彼とはいたちごっこのようなものだ

「アッシュ・リンクス！レオン・クラウン！こっちへ来い！」

呼ばれて10秒間眺めた後、ゆっくりと近づいて3メートルの距離を残して立ち止まる

何かあっても対応できる距離

それが「彼」との初めての出会い

つるっぱげな頭、サングラスとおかしな格好をしている彼との、初めての出会い

そしてのちに、最高の親友となる人間

「よォ…」

「…………」

彼はしばらく警官と話していた

そうそう、なぜ私たちがこの少年院に入っているのかというと、殺しをしたからだ

アッシュは4人、私は10人
ニューヨークとニューハンプシャーでの殺しで同じ少年院に入ることは異例だった

ニューハンプシャーの少年院は生やさしいもんだから、こっちに移したんだろう

「レオンも捕まるなんてな」

『フン…』

「なにやらかしたんだよ。窃盗でもした？」

『10人殺した、それが悪い？』

「は？」

鼻で笑いながらアッシュに言って殺れば「10人…俺の倍かよ」と小さく言うもんだから、『年上ってのは面倒なことに巻き込まれるんだよ』とだけ言っておいた

ただはめられて殺してたら捕まった
まー、馬鹿な捕まり方をしたもんだよ。ボスだっていうのにね

そして、私たちの世話役として駆り出されたのはショーター・ウォンという人間で、どうやら私の一つ上らしい

「私物はその本だけか？
随分身軽だなァ」

「………」

無愛想なアッシュにショーター本人もため息が漏れそうになる

「あっちが娯楽室、その扉の奥がジムとシャワールームだ
工作作業室と図書室は後で案内してやるよ
でここが食堂だ
朝食は7時半、昼食は12時、夕食は6時、ただし急いでがっつくなよ
ゴキブリが入ってることがあるからな。何か質問は？」

「その頭、禿げてんの？そってんの？」

『…………え』