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「こんな姿…アンタにだけは、見られたくなかった」
『…………似たようなこと、私もされてるのに?』
「俺はいいんだよ…アンタは違う」
『………愛のないセッ クスは辛いよ…
ディノに抱かれるのも、マービンに抱かれるのも、政府高官に抱かれるのも、全部忘れたいくらいなんだから…』
「…レオンも?」
『………アッシュが辛いものは、私だって辛いんだよ』
くしゃりと撫でたあと『シャワー浴びた方がいいよ。汗が冷えて風邪引いちゃう』とシャワー室に向かい、水を出す
「…なんでここに?」
『あのあと、ブランカと一緒に追っかけた
ごめん、助けてあげれなくて…アッシュは助けてくれたのにね』
「…万が一、妊娠したら嫌だろ」
『ピル飲んでるから平気』
「それでもだよ」
『優しいね、アッシュは』
ストリートキッズだなんて信じられないほど優しい
頭が良くて、見た目も良くて、皮肉屋で、だけどその奥には心優しくて照れ屋な普通の男の子がいる
『さ、冷えた体をあっためておいで』
「……風呂から上がっても、いてくれる?」
『もちろん』
「………絶対だよ」
少し不安げに言うもんだから『一緒に入ればいい?』とからかってやるとアッシュは「いいの?真に受けるよ?」と聞いてくる
『早く入りな』
「ちぇっ…でもいつか」
『?』
「レオンと風呂入ってセッ クスしたいな」
『寝言言ってないでさっさと入んな、クソガキ』
アッシュを風呂に押し込んだ後、部屋の外で待ってくれたブランカを呼ぶと、「おや、話は済んだかい?」と両手に飲み物が抱えられていた
どうやら、私とアッシュのものらしい
「レオン!レオン〜!!」
「おや、私がいない間に随分と懐かれたものだね
屋敷じゃ突き放してたじゃないか」
『…パニクってる子を放っておくほど、私は最低じゃないんでね』
「……大切なものにしたくなかったから、彼を突き放してたのかい?」
『……調べたんでしょ?
なら答えはわかるんじゃないの?』
「そうだね、キミの宝物はキミの手から滑り落ちた
だけど彼は…まだ落ちてないよ」
『…………』
「レオン〜!! バスローブがない!」
『……自分で探しなよ』
懐かれている自覚はあった
だって、あんなに毎日声をかけてくるなんて、ユージン以外…初めてだった
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年6月22日 16時