ヤマネコの相棒はライオン8 (ページ13)

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話が終わったのと同時に部屋を出るために歩き出すと「レオン、待ちなさい」というディノの声が聞こえてくる。そんな声を無視し『話が終わったんなら用はないでしょ』とだけ吐き捨てて部屋を後にした

『……着いてこないで』

「あいにく、俺もこっちに用があるんでね」

『ディノの屋敷で用？頭でもイカれた？』

「その言葉、そっくりそのまま返すぜ？」

鼻で笑ってやれば彼も鼻で笑ってくる
仕方なく何の用もない庭先に出て、着ていた上着を脱ぎ捨てその場に寝転がる

青い空を見上げながらボーッとしていれば、彼は隣に座って本を枕にして寝始めた

『帰らないの？』

「アンタが帰るって言うんならね」

『意味がわからない』

「そのままの意味」

意味不明だ
彼の言うことは大抵意味がわかない
ただの皮肉なのかそうでないのか、私には到底理解のできないことだった

もういいや、きっとそのうち飽きてくるだろう
彼に背を向けると、私よりも小さな彼の体が私を抱きしめるようにしてきた

『ちょッ』

「いいだろ？どうせ、あのディノにも」

『いい加減にしてッ』

なんとか起き上がって彼から放れ、その場を逃げるように走り去る
マービンやディノの側近が私を見て慌てるような声をかけてくるのを無視して屋敷を飛び出し、自分のバイクに乗ってニューハンプシャーへ向かった

アッシュside

「ちぇっ…」

わかりやすく拒絶された上に逃げられた
さっきまで触れていた柔らかい彼女の肌が名残惜しいけど、忘れ形見のように置いていかれた彼女の上着を手にして抱きしめる

彼女の匂いが染み付いていて俺の心を落ち着かせる
俺は彼女が好きだ。綺麗な髪の毛、空色のような瞳、そして何よりもあの強く意志の宿った瞳に惚れ込んだ

いや、彼女の存在全てに惚れたと言ってもおかしくない
彼女に出会ってすぐの頃、あんなに綺麗な奴がいるか？と思って、街中を駆け回ってありとあらゆる女を引っ掛けてた

今思うとクズだよな
その中でも彼女に似た女の子を見つけた

金髪に空色の瞳、唯一違うのは、「女の子らしい」というところだけ
彼女は強く気高く美しく孤独な人間だった
だが、女の子は優しく美しく、まるで普通の人間だった

だけど、俺の女に間違わられて殺されてしまった
助けることすらできなかった俺が、もう人を好きになることはないと思った

でも