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『英二…アッシュのこと、お願いね
それから、傷はちゃんと治して…』
《うん…レオン》
『ん？』
《必ずまた会いに行くよ、アッシュと一緒に》
『……！それは嬉しいね
…ねぇ、英二…無理を承知で頼む』
《！僕にできることならなんだってするよ！》
『………シオンの、面倒を見てほしい』
《え？》
『これから私は、シオンとは連絡が取れなくなるの
お願い英二、無理ならマックスに押し付けてもいい…シオンに、普通の学校に通わせて友達を作ってもらって、温かいご飯とベッドで過ごせるような、そんな…当たり前を教えてほしい』
《レオン…》
叶えてあげたかったことを、英二に託そう
私はきっともう長くはない、人をたくさん殺したんだ…死んで罪を償うしかないのかもしれない
だけど…最後にまた、会いたかったな…
《英二、代わってくれないか？》
《もちろんさ。レオン、キミからのお願いは僕が必ず叶えるよ》
『…ありがとう、英二』
これでもう何も心配いらない
あとは、アッシュだけだ
『アッシュ、英二と楽しい思い出作ってから帰ってきてね…話聞きたいから』
《あぁ…。俺が戻るまで絶対に待ってろよ》
『うん、待ってる』
それが、私とアッシュの“最後”の会話
アッシュside
電話をルカに手渡し、ほんの少しまた何かを喋ったり、小声で何か喋ったあと、「わかった、すぐ行くから待ってろ！」と慌てた声で叫び「英二、アッシュ！」と俺たちの元に駆け寄ってきたルカは、申し訳なさそうに見つめてきた
「悪い、最後まで見送ってやりたいところだったんだが…どうも、ニューハンプシャーのグループの抗争が始まったらしくて、レオンがそっちの行っちまってよ…悪い」
「気にしないで。見送りに来てくれた上に、アッシュを連れてきてくれたんだ。ありがとうルカ。シオンとチェルシーは僕が責任持って連れて帰るよ」
「日本で保護を受けたら、チェルシーは日本永住だぜ？」
「あ、そうだった」
「ルカ、ボスは？」
「大丈夫、ただの仕事に戻っただけだ。お前は何も考えず、新しい人生を歩めよ
ゴルツィネみたいな野郎に目をつけられないよう、強く生きろ」
「…わかった」
「…もし、街で俺たちを見かけても俺たちに声をかけるなよ？
俺たちとの関係を疑われたら、これまでのことが水の泡だ」
「…うん。でも、手紙は出していい？」
「もちろんだ」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年6月22日 16時
