もう1人の正統継承者【男主】 (ページ24)

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「だから趣味は、レア情報持ってない？
じゃ、家族構成は？母親と祖母の3人家族って話だけど…父親は亡くなってるのかな？」

「やめろ。俺はそう言う、テレパシーのない奴は嫌いだ」

(…テレパシー？)

それだけ言い残して教室を出て行った良守
良守、カッコ良かったがなぜテレパシーだ。デリカシーだそこは

『田端』

「あ、はい」

『あんまり、データ集めるのもやめろよ。他人の家族構成とか云々聞いて、相手の気持ちを害することになるからな』

「あ、はい…」

『それと、時音のことはあんまり言わないでやってくれよ。俺も良守も、ガキの頃からあいつとはちょっと仲良くしてると親同士がいい顔しないから』

「え、そうなんですか？」

『あぁ…じいさんとばあさんのいざこざだ』

あそこさえ解決すれば、墨村も雪村も手を取り合って烏森のこともできるんだけどな…
たかが400年だかなんだかのいざこざに正直今は意味がない

俺にとって昔は関係なく、今が大事だと感じているわけで…ガキの頃からあいつらのことをよく見てたからよくわかる
あいつらは、いつまでも笑っていてほしい

…なんて言うのも面倒だから

職員室に戻って飯を食ってると「兄ちゃん!!」と入ってくる良守に『どうした？』と父さんの弁当を食いながら聞く

「変な男性教師知ってるか!?」

『変な男性教師？』

「高等部のキザっぽいというか、いけすかない感じの…！」

『…そういや、英語教師が1人産休に入って新任が1人入ったな…』

「多分そいつだ！」

『名前は確か…』

高等部の教師一覧をパラパラとめくり、目的のページで止める

『三能たつみ、だな…』

「そいつだ！」

『…で、お前は給食食わずに何やってんだよ』

「あ」

教室に返し、弁当を食べ終えて仕事を始めようとするとものすごい邪気が一瞬だけ現れた

ー放課後ー

(三能たつみ、か…)

生徒が帰って行くのを眺めながら高等部の英語教師を思い出す
確か、時音のクラスの受け持ちだったな…なるほど、中等部の良守がすごい剣幕で聞いてきたわけはそれか…

「墨村先生〜」

『あ？』

「あの、集団失神事件知ってますか？」

『…なんだその禍々しいの』

「最近、高等部で倒れる生徒が多発してて…外傷はないんですけど、全員倒れた前後の記憶が抜け落ちてるそうです」

『へー、貧血だろ』