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0話 5年前 ページ3

「兄ちゃん!!」

『あ?』









廊下をパタパタと走ってきたのは、弟の良守、9歳だ









『どうした、良守』

「兄ちゃん、ケーキ食べよう!」

『あ?ケーキ?』









良守はケーキなどのお菓子が大好きだ
といっても、甘いものが好きなだけだが…いつか大きなおかしの城を建てるのが夢らしい









『んなことより、鍛錬しろ鍛錬』

「うっ…」









わしゃわしゃと良守の頭を撫で、『ケーキ食ってから鍛錬するか』とぼやくと良守はあからさまに顔色を明るくさせ「うんっ!」と大きく首を縦に振った









うちの開祖である間時守の考案した、「間流結界術」は実用性重視のシンプルなもの







「方囲」がターゲット指定



「定礎」が位置している


「結」が成形・発動






基本的にはこの手順で対象物を囲い込む







「解」は解除


「滅」は滅却









「兄ちゃん、どのケーキ食べる!?」

『…そうだな』









居間で父さんがケーキを出してお茶を入れる横で、良守が目を輝かせてケーキを見ている
俺は『先に良守が選べ』と言い選ばせようとすると「兄ちゃんから!」と言われた








って言われてもな…ショートケーキを選ぶのにただいちごのでかいのか小さいのかの比べものだろ…
俺は何も言わずに、『これ』といちごが比較的に小さいのを選び、良守にでかいイチゴの乗ったショートケーキを置いた









大小を気にせずして目の前のショートケーキにかぶりつくようにフォークで大きく取って大きな口に放り込んだ良守を横目に、俺は小さく切って口に運ぶ









「美味しい!」

『おー』









嬉しそうにケーキを頬張る良守に空返事で返しながらショートケーキを食べ進め、皿が空になったところで道場に向かった









『んじゃ、自分を囲うように結界作れよ』

「うん」









大きめの結界を作った良守に、そこまででかいのは求めてないが…と思いながら、成形した結界の上に水がなみなみに入ったバケツをひとつ置いた









『んじゃ、スタート』









ストップウォッチを使って、集中力がどこまで続くかの鍛錬だ
カタカタとバケツが小刻みに揺れているのはいいとして、まだまだ集中力は鍛えないといけない




…まあ、この年でこれなら上出来だろう

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年6月18日 11時

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