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『……………』
大きく息を吸って電話に出る準備を整えると『もしもし？』と答えると《やあ、子猫ちゃん大きくなったなぁ》という上機嫌な声が聞こえてきた
『このクソッタレが!!』
《久しぶりに聞くな、その悪態のつきかた
変わってないな…ちょっと待て》
英二に怪我をさせたんだ、キレないなんてことがない
ブランカは誰かに電話をかわったらしく《やあ、レオン》とショーターを脅し英二と私をディノの前に差し出した月龍の声が聞こえた
ディノと月龍が結託したってことか…
なるほど、それでディノがブランカを呼び出し、月龍と合流した…
《警告は受け取ってくれたね
我々は彼に仕事を依頼した。標的はキミとアッシュの友人、奥村英二》
『！』
《交渉は明日の夜9時に…8番埠頭の12番倉庫だ。アッシュには伝えず1人で来てくれるかな？》
『…ブランカと替われ』
月龍からの交渉条件と場所を聞いたあと、替わるように言い、《ハイ、ハニー》というまたもふざけた声が聞こえてきた
『引退したんじゃなかったのか、この大嘘つきめ!!
カリブの隠遁生活が聞いて呆れるぜ!!』
《なんのなんの、ちゃんと優雅な老後を過ごしてるよ
カリブはいいぞ。光り輝く太陽、そしてチョコレート色の女たち》
『アソコが腐ってもげちまいな!!!』
乱暴に電話をから、スマホを持っている手でテーブルを叩いた
『なんで…ッ』
固く目を閉じ、ブランカとの過去を思い出す
ディノの屋敷の庭は緑に溢れていた
まだアッシュと知り合って間もない頃だったはず
「…その本、面白いの？」
ベンチに腰掛けて静かに本を読んでいるブランカに、まだ幼さが残るアッシュが聞いていた
その隣でじっとブランカを見つめていると、「それは自分で決めることだな」と返された
『なんて本？』
「「海流のなかの島々」読むか？
人の孤独について書かれてる」
「へぇ…」
「やっぱりやめとけ。もう少し育ってから読むんだな」
「なんだよ、それ」
なんで…なんであんたなんだ
なんで今頃になって…アンタが
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年6月14日 11時
