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アッシュside
とあるホテルの一室に迷いなく進んでいく俺は、ある部屋の前で止まり、インターホンを押した
ゆっくりと息を吐き、目を閉じて気弱な学生を演じる
「…ピーターではないな」
部屋の内鍵が解かれ、キーチェーンがかかったままの隙間から覗いたのはキッパードだった
「彼は急病で…代わりに行くようにと言われました…
僕ではいけませんか?」
しおらしく顔を上げ、潤んだ瞳で見つめてやる
こいつのセイヘキはよく知ってる
どのホテルのどの部屋で子どもを買い待つのかも
コイツが…レオンに酷いことをしたのもよく知ってる
レオンは笑顔でいたものの、コイツに指名された時はぐっと唇を噛んで黙って耐えていた
俺が相手をしないように、何度も自分から願うように出て…キッパードはそれが嬉しいのか楽しいのかわからない顔で快楽に溺れていくようにレオンを手酷くした
…いつか殺してやると、そう誓ったんだ
ほのかに明るいスタンドライトだけが灯った部屋
床には上着や靴が散乱している
ベッドに横たわる俺の上に馬乗りになって好きにしている
しばらく好きにさせていたあと、シャツのボタンを外されながら俺は笑顔でキッパードに聞いた
「相変わらず金髪が好きなの?」
「っ!」
「この顔、忘れちゃった?薄情だな」
「お前は…!」
忘れもしない
絶対に忘れるもんかと脳裏に焼き付けたお前たちの顔だけは
「どいてくれないか?重いよ」
銃を突きつけ、ベッドから降りて俺は小馬鹿にしたようにキッパードに言う
「あんたには感謝してるよ。幽霊にしてくれたおかげで、サツに追われなくて済む」
「な、何が欲しい?金か?」
「バナナフィッシュ」
「…なんのことだ!」
「余計な芝居はなしにしようぜ
あんたとゴルツィネ、ホルストック、スマイルズ
お前達は誰の庇護のもとに動いてる?」
黙り込んだキッパードに「答えてもらおうか」と言えば、負けじと怒鳴ってくる
「貴様のような者に脅されて国を売るとでも思ってるのか!
殺したければ殺せ!」
「出たね、「お国のため」が。だけどこいつはどうかな?」
こんな忌々しい写真、今すぐにでも消してやりたい
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年6月14日 11時