21-5 ページ24
「頭を下げろ！」
俺が伏せた途端、じいさんの方にドンッという音と俺の首が締まっていく
そのまま梯子から手を離して落ちていくと、ゴミ山に落ちる
「バカジジイ…」
臭いゴミ溜めから起き上がる
落ちてきたのは警備員だ
「誰だ、こんなモン捨てやがった奴はぁ!!!」
そんな虚しい叫び声は誰にも聞かれず、ダストシュートから外を出ると、すでに日が沈んでいた
「ふん、最新の警備システムだって？ざまぁみろ！」
ダストシュートから出て、そのまま建物と建物の間の道を走り、身を潜めた角からセンター内を覗き込む
守衛室があり、中には警備員が2人詰めている
左には駐車場があり、何台もの救急車が駐まっている
(あいつを手に入れられれば…)
その時、騒がしい声が聞こえてきた
「だぁから…迷っただけなんだって！」
言い返すそんな声に俺は耳を疑う
嫌というほど聞き覚えがある…俺と軽口を叩いて病院から出してやると言ったマックスの声だ
そばには伊部もいる
病棟に連れて行かれるのを見ながら、俺はへなへなとその場に座り込んだ
「なんであいつらがここに……一体何しに来やがったんだ
よりによってこんな時に…なんで俺はいつも、年寄りに足を引っ張られるんだ！
ふざっけんなあのバカジジイども！死ぬ思いでやっと出てきたんだぞ！戻れってのか、あの中へ!? 冗談じゃねえ、絶対ごめんだ！生きてレオンに会うんだ!! 勝手に死にやがれ、バカヤロー!!!」
一通り叫び終わり、俺は見なかったことにしてズカズカとダストシュートの方に歩きじいさんを回収して逃げようとした
だが、だけど…ッ
(っそ…！)
伊部がここにいるってことは、英二もまだこのアメリカにいる
英二を日本に帰すには、伊部も一緒じゃなきゃいけない
おいていけたらいいが、英二がいるから致し方ない
2人を助けるため、俺は病棟に足を向けることにした
(なんだってこんなことに…っ)
苛立ちながら病棟に入り、近くを通った警備員を捕まえて2人がいる部屋へ案内させた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年6月14日 11時
