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「質問が…」
「なにかね？わからない単語でも？」
「いえ、ここなんですが…」
俺が示したプリントを見てギョッとした
何しろ内容が高等数学だからだ
俺はそんなのお構い無しに捲し立てるように言っていく
「最後の問題だけど、僕は「フィボナッチの数列」じゃないかと考えたんです
でもそうすると、「3」の次は「5」なんですよね。ところがこの問題では「6」になってる
それで前の項に頼らずに、任意の数値の出るようなf(x)の公式があると仮定して計算してみたら「f(x)=a451796」「expt.0.480512x」…」
既に話についていけない男を置いていくようにどんどん早口に言っていく
俺も楽しくなってきた
「ただし、これはほぼ近い公式で、xが大きくなるにつれて次第に誤差が生ずるんで混乱してしまって
やっぱりひょっとしてミスプリントの可能性は？
それしか考えられないんです。だっておかしいと思いませんか？
それとも、僕の知らない新しい数学理論でしょうか？
何しろ小学校もまともに出てないもので…」
笑顔をひくつかせた男は、「あ、いや」と戸惑いながらも答えていく
「そこから先は無理にやらなくていいんだ
それじゃ次のテストを……」
面倒なことがまだ続くのか…と、俺は頬杖をつきながら男を見据えた
「これは…何に見える？」
「あんたの奥さん」
こんなことしてるよりも、レオンに会って安心させたいって言うのに…
俺は動けない自分の体に歯痒さを覚えながら、そのままテストを続けた
レオンside
「おーい、レオン起きろ」
『ん…？』
「半日寝たんだ、そろそろ起きろ」
『今…何時？』
「夜の7時！」
りんごを投げ渡してきたルカから受け取り、そのまま皮ごと食べると「英二な」とルカがシャリシャリと咀嚼しながら言う
「あの、中国人の…何だっけ」
『？』
「女みたいに髪の長い…」
『月龍…』
「そう、それだ!!」
『なんで…』
「その、月龍って奴のおかげで外に出たはいいけど…監 禁されてるみたいだぜ…」
『…助けに』
「まあ、大丈夫だろ。あの月龍だ、アッシュやお前の友達だっていう英二に手荒な真似はしねぇよ…」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年6月14日 11時
