ヤマネコの相棒はライオン5 (ページ2)

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20話思いの時間ページ2

ー深夜ー

スマホのバイブレーションに手を伸ばし、そっと電話に出た
傍で眠るレオンを見つめ、「俺だ…」と答える

内容を聞き、「オーケー」と答え、俺はレオンを見つめた

これからすることは、きっとレオンを悲しませるかもしれない
いや、傷つけるかもしれない

コングとボーンズには、これからのことはアレックスに任せてあることを伝えておいた

ショーターもわかってるだろう

オーサーが俺に正々堂々と勝負をするわけがないだろう…きっと何かを仕掛けてくるに決まってる

今夜3時、イースト・ブロードウェイ駅での決闘
Fラインは架線工事中だから、その時間は閉鎖される

出入り口を見張っておけば、オーサーの手下も入ってこれないだろう

眠っているレオンを起こさないように部屋をあとにし、外に出るためにドアノブに手を伸ばしたその時

『何も言わずに行くの？』

「！」

『…そんなに私のこと、おいていきたいの？』

「…レオン、お前」

『…ひどいのね…おいてっちゃうなんて』

ドアに身を任せているレオンに俺は振り返り、じっと見つめた

「……連れていけないのはわかってるだろ？」

『何も言わずに行くのがいいと思ってるの？』

「……」

『一緒に行きたい、でも今動いたらオーサーの仲間がどう動くかわからない…だから行けないけど』

「！」

『必ず戻ってきてね…英二のためにも、ショーターのためにも』

真っ直ぐとライトブルーの瞳を向けられ、俺は小さく頷き「必ず」と言ってドアノブを回した

『…絶対だよ、アッシュ』

それが、レオンとの最後の会話

「！」

「よ、アッシュ」

アパートの外に出ると、ハーレーを停めている男…ルカがいた

「イースト・ブロードウェイ駅だろ？」

「…………誰から聞いた」

「うちの情報収集力舐めるなよ？
アッシュとオーサーの決闘なら、誰だって情報ぐらい仕入れるさ」

「………」

「お前には死んでほしくないからな…
駅まで送るよ…もちろん、レオンの指示じゃない、俺なりのエールさ」

「…じゃ、頼むぜ」

「任せとけ」