ヤマネコの相棒はライオン4 (ページ43)

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19話図星の時間ページ43

「あれ、どこか出かけるの？」

『ちょっとね…。ショーター、英二のこと頼む』

「気をつけろよ」

ヘルメットとバイクのキーを手にしながら、ショーターに頷きそのまま出て行く
アパートの裏に停めてあるバイクに跨り、そのまま大通りで走らせていく

『相変わらず…静かな場所』

ここ最近、毎晩のように遅くまで出ているから英二には心配をかけてる
それはもちろん、アッシュも同じだ。仲間のことでよくないことがあるんだろう

「ボス」

「こっちだ」

シェリル、ユーリの案内できたのは路地裏で怯えきっている裏切り者のいる場所

私の姿を見た途端、「ボ、ボス！」と慌てふためき始める

『人間狩りは楽しかった？リリック』

「た、頼む…助けてくれ！
オーサーには逆らえなかったんだ！」

許しをこうリリックに私は問答無用で引き金に指をかけた

『そうやって命乞いした私の仲間を、なぶり殺しにしたんでしょ？』

ガウンという重い音が響き、リリックの頭には1発の銃弾が突き刺さった
その後ろでリリックの仲間が怯えきっている

「レオン、あいつらどうする」

『始末しろ、いちいち聞くな』

「お、おう…」

ルカにそう指示を出すと、後ろから銃撃の音が聞こえてきた
バイクまで歩いてくると、ふと自分の手を見つめた

(私の名前が殺戮の合言葉になっていく…私は一体、何者なんだろう…)

微かに震える手を振り払うようにしたあと、ヘルメットをかぶってアパートではなく自分のアジトへ向かった

「あ、お姉ちゃん！」

「ボス」

『ただいま、シオン、チェルシー』

シオンの面倒を見てくれているチェルシーの頭を撫でた後、駆け寄ってきたシオンを力強く抱きしめる

「お姉ちゃん、怪我してるの？」

『え？』

「血の匂いがする」

『…あぁ』

心配そうにするシオンの頭を撫でて『大丈夫』と安心させると、「シオン、そろそろ寝よう」とチェルシーが手を引いて奥へ向かって行った