ヤマネコの相棒はライオン4 (ページ29)

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17話悪魔の時間ページ29

『え、カシミア一式の服？どうするの？』

「おっさんと会うためさ」

『…マックスと？』

「あぁ…。頼めるか？」

『ルカに頼めば…用意できるけど』

アッシュがキッチンにコーヒーをもらいにやってきたのと同時にそんなことを聞いてくる

タバコを吸い終えてからキッチンで英二にコーヒーをもらって飲んでいれば、英二と入れ違いにアッシュが入ってきた

「おっさんの分も頼めるか？」

『いいけど…無茶するつもり？』

「ただ会うだけだよ」

コクンとコーヒーを飲んだアッシュを横目に、スマホを取り出しルカにカシミア一式をマックスとアッシュの分を用意して届けることを命令すると「了解」の文字が送られてきた

「しばらく、ショーターとは一緒に行動してもらうことになってる
チャイニーズに戻って捕まったら元も子もないからな」

『それはいいけど…』

「レオンも、必要以上にここから出るなよ」

『…OK』

翌日になり、ルカが服を届けにきたのを受け取り、アッシュに渡すと「お前の趣味？」と聞いてきた

『お生憎様、私はアッシュのいつものが好き』

「へぇ？」

「俺の趣味でもねえぞ…店の人間が勝手にコーデしたんだよ」

「別に何も言ってねえよ…用意してくれて助かったよ、ルカ」

「うちのボスの旦那だからな。お安い御用だよ」

『無駄口叩いてないで、頼んだことしっかりやんな』

「わーってるよ…明後日からにでも取り掛かるつもりさ」

英二に挨拶しに行ってくると出て行ったルカを見ていると、「頼んだことって？」と聞いてきた

『なんでもないよ、気にしなくていい』

「………無茶するなよ」

『わかってる』

カシミアのコートを着た後、眼鏡をかけて「行ってくる」と言って出て行ってしまう
そんなアッシュを見送った後、ベッドに腰掛け、アッシュの上着を手に取る

『…無茶するな、か…私がしようとしてること聞いたらどう思うのかな』

アッシュだってしようとしていることを私が先に手を出しただけだ

何を言われたってやめるつもりはない

『アッシュを傷つけたこと、後悔させてやるよ…オーサー…』