ヤマネコの相棒はライオン4 (ページ26)

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アッシュside

「ああっ！ハァ……ハァ……ハァ…」

ベッドで眠っていた俺が顔を真っ青にして起き上がった

息を何とか落ち着かせるために何度か深呼吸をしたあと、隣のベッドで眠っている英二を見た
ショーターは隣の部屋で眠っていて、レオンもそっちで眠っている

ｶﾀﾝ

「！」

小さな物音がして、洗面台の方からだったのに気づき、俺は音を立てずに洗面台へ向かった

『ハァ…ハァ…』

「！」

洗面台に水を流し、汗でべったりと張り付いた前髪と顔を濡らして震えているレオンがいた

「レオン…」

『！』

振り返ったレオンは、『アッシュ…』と力ない声で言うと、さらに目を見開けた

『英二…』

「え…」

振り返ると、英二が立っていた
起こしてしまったのか、起きていたのか、いずれにせよ醜態を見られたことに動揺して俺たちは言い訳のしようもなかった

『…起こしちゃったみたいだね、ごめん』

「…レオン」

『！』

「…何かあるなら、話してくれないかな…
力になれるかはわからないけど、話してみると落ち着けると思うんだ」

『英二…』

いつもの優しい笑顔でそう言った英二にレオンは、『…うん』と頷き、俺たちと共に部屋に戻った
レオンを真ん中にしてベッドに腰掛けると、レオンは震える拳を押さえつけるようにしていた

『…忘れようとしたの…ざまぁないでしょ、ギャングのボスで、男に股を開いていた娼婦風情の殺人鬼としたことが…』

「よせよ、そんな言い方」

「娼婦じゃねえよ」

『……私は、8歳の時に初めて人を殺した』

「…レオン」

『襲われたんだ…私を庇って死んでいくユージンがいて、冷たくなっていって恐ろしかった
恐ろしくて声も出なかった…心では「救けて」と叫んでるのに、泣き声ひとつ出てこなかった
そいつを撃ち殺した時私は泣いた…何も感じなかったんだ
私は自分が恐い…今まで何人殺したかわからない
何も感じないの…何も………』

震えるレオンを抱き寄せる
俺も8歳の時に人を初めて殺した

レイプされたからだ
恐ろしくて声も出なかった

心では「救けて」と叫んでるのに、うめき声ひとつ出てこなかった
そいつを撃ち殺した時俺は泣いたんだ

何も感じなかった
俺は自分が恐い、今まで何人殺したかわからない

何も感じない…レオンと同じだ…