ヤマネコの相棒はライオン4 (ページ11)

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シンはぐっと押し黙ると、「わ、わかった」と言って元きた道を戻っていく

燃え上がっていく死体を一瞥したあと、私も駐車場へ向かうように走り出した

駐車場に止めてあるブルーのスポーツカーに乗り込み、エンジンをかけていると、赤いスポーツカーが停まっているのが見えた

アッシュが16の時のバースデーにプレゼントされたスポーツカーだ

アレックスたちと逃げたのか、まだ残っているのか…
残っていたとしてもきっとすぐに逃げるだろう…今はもう、疲れた

力一杯アクセルを踏み込み、ハンドルを切ってディノの屋敷を飛び出した

アッシュside

日がのぼった次の日、俺は自分のアジトへ向かっていた

ディノの屋敷から脱出した後、アジトまで来ると仲間たちが俺を見て嬉しそうにする
中に入り、俺を見た途端に全員が喜んで俺を取り囲む

「あんたが戻ってきたからには、もうオーサーのやつにデカイツラはさせねえ！」

アレックスの言葉に俺は内心で頷きながら、部屋の中を見回した
今すぐ会って抱きしめたい奴がいない

「…アレックス、レオンは」

「そ、それが…」

「ルカって奴から連絡があってな…レオンはまだ帰ってきてないらしい」

「!?」

「脱出はしたと思うが、多分まだ連絡できる状態じゃないんだろう」

「…わかった。レオンのことは後回しだ
まずは食料と服を。それからバイヤーの「チェック」に連絡を
あと「フライ」にこれを用意するように言っておけ」

「OK」

「あとは携帯2台とタブレットを頼む。俺は2時間だけ寝る」

それだけ言って俺はベッドに身を預けた
スプリングがギシッと音を立てるのと同時に意識がどんどん沈み込んでいく

「…スイッチが切れるみたいに眠っちゃったよ」

「眠る時は、な」

「？」

俺が起き上がると、アレックスたちを含めた仲間たちは物陰に隠れ始めた

「2時間だ、2時間経ったら起こせよ」

「「い、イエス、ボス」」

俺はもう一度ベッドに身を預け、そのまま眠りに入る
いつもあるはずの温もりを思い出しながら…