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1話 斑目 ページ7

裁判を終えた私たちは傍聴席にいた明石さんと一緒に東京地方裁判所を出た
荷物を持ちながら大きく伸びをすると「お腹すいた?」と大翔が言うから頷いた







「あー、これ無罪にならなかったら骨折り損どころのもんじゃないぞ、ホントに」

「え?」

「え、ってなんだよ。お前に言ってんだぞ」

『ふあっ…』










3人並んで官庁側の歩道を歩きながら怒っている明石さんと全く響いていない大翔を挟んで歩く
スーツのポケットからスマホを取り出して起動させ、目の前の信号をろくに確認もせずに渡ろうとした










「バカ!瑞姫!!」

『え?うわっ!』











大翔の声が聞こえてきて振り返ろうとすると、腕を掴んで引き戻された
後ろに倒れることはなく大翔に支えてもらったからよかったが、その瞬間左折してきた白いマセラティと接触して私の手からスマホが落ちた





運悪くそのスマホの上を車の後輪が踏みつけていった











「「あ」」









私と大翔が口をぽかんと開けてスマホを見ているとマセラティは曲がり切ったところで停車した
それを見て、明石さんは走っていき「こらーっ、そこの高級車!」と叫ぶ







白いマセラティの運転席からはいかにも仕立ての良さそうなグレーの三つ揃えのスーツを着た男が出てくる









「あんたの車がブーン、って来たから危ないからバーッてやったらそしたらバーッて、危ないから手からポロッてスマホが落ちてそれでブーって轢かれちゃったんだよ……っ!」

『壊滅的な語彙力』









必死で訴えている明石さんのことなど全く気にすることなく、運転席から出てきた男は自分の車のボディをチェックしている







「大丈夫?」

『あ、うん。平気』










心配そうに覗き込んでくる大翔に頷くと「傷はついてない、安心しろ」と男が運転席に乗り込もうとしている









「心配すべきはそこじゃないだろ?ほら!」

『あ、大翔。怪我するよ』

「別にいいよ」











私の踏み潰されたスマホを拾い上げた大翔は割れた上にバキバキのスマホを男に見せた








「あの〜、割れちゃいましたね」

「傷はついてない。心配しなくていいぞ、学生さん!」

『いい歳したおばさんなんだけど…』

「瑞姫はどこからどう見ても17だけど?」

『童顔って言いたいの!? 人が気にしてることをッ』










笑顔で手を上げて運転席のドアを開けた男は、私たちがどうやら学生に見えたらしい
そりゃ、前と比べりゃ子どもっぽいよ

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サッカーバカ(プロフ) - 雅夢羅撫-ayurana-さん» ありがとうございます!アッシュの登場でさらに楽しい物語になれるよう頑張ります! (2022年1月24日 14時) (レス) id: b3a011a5a0 (このIDを非表示/違反報告)
雅夢羅撫-ayurana-(プロフ) - 続編おめでとうございます!アッシュが出てくるのが楽しみで楽しみでワクワクが止まりません(*´ ꒳ `*)これからも更新頑張ってください! (2022年1月23日 12時) (レス) @page11 id: 3b30b9715e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年1月20日 8時

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