5話 検証 ページ23
ー斑目法律事務所ー
『…………すごい、なにこれ』
「明石さんでしょ」
赤木義男殺人被害事件資料という段ボールがいくつも積んであった
それぞれの段ボールには、「深山から言われた書類」「赤木義男氏の接見メモ起こし」「防犯カメラのキャプチャー写真」「ピルケースの写真」「塙家の図面」「塙家の防犯カメラ詳細」「世田谷区・杉並区の地図」「赤木陽子氏の証言まとめ」など、中の資料を示しているメモがクリップで留めてあった
明石さんの手書きだ
そんな段ボールをひとなでして『ねぇ、大翔。たまには労いの言葉を』と大翔に向き直ると「ん？」と机の上に飴の袋が置いてあったのを手にしていた
「なに？」
『いやだから、ちょっとは明石さんに。あ』
「ん？」
明石さんの似顔絵入りのメモがあり、「用意しておいてやったぜ！飴を買っといたぜ！」という文字が書かれていた
そんなメモを大翔はさっさと捨ててしまった
『もぉー…』
「飴、食べる？」
『…もらう』
「うん、はい」
ちょっとはさぁ…と思いながら大翔から渡された飴を受け取り、明石さんに飴代をきっちりと出して机に置いておいた
「あれ、キミたちは？」
「立花です」
「うん、帰んなくていいの？」
「民事にいた頃は、もっと忙しかったんだ。気にしなくていい」
「うん、食べる？」
アッシュにグラスに入った飴を差し出すと「お構いなく」と断られた。そりゃ、ありがとうオリゴ糖なんて飴、誰が食べたいんだろう
「あ、そう。さてと、これまでの証言を検証しますかね」
『えー。今からするの？今日はもう帰ろうよ』
「はいはい、手伝って早く帰ろう」
段ボールから資料を出して作業をしようとする大翔が背中を押してくる。仕方なく資料を出していると「…ここ狭いだろ」と大翔は部屋を出て行った
『もー…勝手なんだから』
部屋を探しに行ったマイペースな幼馴染に頭を抱えると、「…なあ、瑞姫」と呼ばれた
ゆっくりと振り返り『なんですか？』と言うと白い肌に乗る形のいい唇が動いた
「憶えて、ないのか？」
『……以前、どこかでお会いしましたか？』
「………いや、すまない。忘れてくれ」
時価40万の翡翠のピアスを贈られた時、彼は皮肉を言っていた
そんな翡翠の色と同じ瞳を潤ませて辛そうに顔を背けたアッシュに、喉が焼けそうなほど罪悪感を突きつけられた
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サッカーバカ(プロフ) - 雅夢羅撫-ayurana-さん» ありがとうございます！アッシュの登場でさらに楽しい物語になれるよう頑張ります！ (2022年1月24日 14時) (
レス) id: b3a011a5a0 (このIDを非表示/違反報告)
雅夢羅撫-ayurana-(プロフ) - 続編おめでとうございます！アッシュが出てくるのが楽しみで楽しみでワクワクが止まりません(*´ ꒳ `*)これからも更新頑張ってください！ (2022年1月23日 12時) (レス) @page11 id: 3b30b9715e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年1月20日 8時
