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外に出てくると、赤木さんの息子くんがベンチに座って絵を描いていた
小学生ぐらいの男の子でなんだか懐かしいなと思ってしまう
「こんなことになって、学校に行き辛くなってしまって
自分の父親が人殺しで捕まったことも、わかってるんです。親として、なにをしてあげたらいいのか…」
話していた奥さんの体がぐらりと揺れて、アッシュと立花さんが慌てて支えた
「大丈夫ですか?」
「奥さん」
「すいません…あの」
奥さんがアッシュと立花さんのコートの袖を掴んだ
「あの人は無実だって言ってるんですよね?」
奥さんの問いかけに立花さんが頷くと「お願いします。どうか、どうか、あの人を助けてあげてください」と頭を下げられた
「お願いします、お願いします…」
『……………』
何度も繰り返して頭を下げる奥さんの姿が、脳裏に焼き付いた
ーーーーー
ーーー
ー
赤木運送から次はmaxVの本社に向かった
急成長した企業らしく、新宿の高層ビルの4フロアほどに事務所を構えている
『立派だなぁ』
「ねー」
ビルの前で待って立派なビルを眺めていると、中から中年男性が出てきて大翔はすっと立ち上がって近づいていく
「友永さんですよね」
「あ…はい」
目の前にいる友永さんはパリッとしたスーツを着ている
写真とは違った印象だ
頷いた友永さんに話を聞きたいと頼み、近くの喫茶店に向かった
「あの時の赤木さんはとにかくものすごい剣幕で、大声を上げて私に暴力を振るおうとしましたから」
「具体的にはどのような?」
「あ、暴力と言っても威嚇されただけで被害は特に…。社長が亡くなったのはショックでしたけども、赤木さんには本当に申し訳ないなと…」
「どういうことですか?」
「赤木さんがうちのために頑張ってくれてたのも、私が付き合いが長いからよく知ってるんです。それをあんな形で…」
俯いた友永さんとの話も終わり、次は消防署だった
今日だけでどれほど歩いたんだろうか…
「3月20日です」
立花さんが消防士に3月20日に出動したのかを尋ねると、「ええ、確かにその日は出動してますね」と消防士は出勤記録を見て頷いた
「何台ほど?」
「15台ほどですね」
「サイレンの音は?」
「もちろんです。だから相当うるさかったと思いますよ」
『…………ふぅん』
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サッカーバカ(プロフ) - 雅夢羅撫-ayurana-さん» ありがとうございます!アッシュの登場でさらに楽しい物語になれるよう頑張ります! (2022年1月24日 14時) (レス) id: b3a011a5a0 (このIDを非表示/違反報告)
雅夢羅撫-ayurana-(プロフ) - 続編おめでとうございます!アッシュが出てくるのが楽しみで楽しみでワクワクが止まりません(*´ ꒳ `*)これからも更新頑張ってください! (2022年1月23日 12時) (レス) @page11 id: 3b30b9715e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年1月20日 8時